先日立ち寄ったカフェ。店内が黒を基調とした色で構成されていた。壁の色、天井の色、カウンターや椅子などの家具の色が黒色で統一されていた。

ただそれに気づいたのはお店に入ってしばらくしてからのことだった。店内が明るい印象だったので、すぐに気づかなかったのだ。

西側と南側は一面窓ガラスとなっていて、明るい太陽の陽ざしがさんさんと降りそそぐ。北側は一面黒色の壁となっている。たりない光を補うように、暖色の照明が必要最小限の数設置されている。

黒色というと光を吸収するので、多用すると店内も暗くなってしまうのではないかと思っていた。ただこのお店は、太陽の陽ざしと少しの店内の暖色照明で十分な明るさをまかなえている。

黒色に対するイメージはいくつかある。自分が思い浮かぶところだと、暗いとかダークといったようなネガティブな面、服飾だと見た目を引き締めたり際立たせて見せたりする面がある。

このお店は自分に新しい黒色のイメージを植え付けた。

黒色の壁や家具が気持ちを落ち着かせてくれる、リラックスのような効果をもたらしてくれたのである。

太陽の陽ざしや照明が放つ光も黒色に引きつけられて、たくさん集まってきているように感じる。

光の存在を具体的に認識できるからこそ、自分の心が落ち着くのではないかと思う。


もし店内が白を基調とした色で構成されていたらどうなっていたのだろうと考える。

明るくなることは変わらないだろうが、印象は変わると思う。壁や天井、家具そのものが主役となってしまい、太陽の陽ざしや暖色照明の存在をさほど気にしないで過ごしてしまうのではないだろうか。

光の存在をさほど意識しないことになるので、黒色と比較すると大きなリラックス効果は得られないかもしれない。


活かし方次第で黒色もこのように変化をすることができる。またいいカフェを見つけることができた。