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なぜ最後がピアソラだったのか?

昨日のミロンガで最後にアストル・ピアソラの「ブエノスアイレスの冬」をかけた際、多くの方が驚かれたようです。ミロンガでピアソラが掛かることは稀です。特にブエノスアイレスでは全くといってないでしょう。

ここで、その選曲理由と、ピアソラの音楽が持つ深い意味について共有したいと思います。「ブエノスアイレスの冬」は、ピアソラが作曲した「ブエノスアイレスの四季」の一部であり、季節の変化を音楽で見事に表現しています。この作品集は、ピアソラがタンゴに革新的な要素を取り入れ、クラシック音楽の形式を融合させたことで知られています。

春と冬の間の季節の変わり目にある現在の東京を音楽を通じて表現したかったため、この曲を選びました。「ブエノスアイレスの冬」は、冬をテーマにしながらも、終わりに向かって春の訪れを感じさせる曲調になっており、季節の移ろいを感じさせます。
アストル・ピアソラは、タンゴ音楽の革命家として広く知られていますが、彼の音楽をミロンガでかけることは珍しいことです。しかし、ピアソラの作品を深く掘り下げると、タンゴが持つ魂が脈々と流れていることを感じることができます。17歳でアニバル・トロイロ楽団に加わり、バンドネオン奏者としてだけでなく、アレンジャーとしても大きな影響を与えました。ピアソラのアレンジは、1940年代のタンゴに新たな息吹をもたらし、音楽の力強さとビートの感覚を変化させました。トロイロの1941年の作品集とそれ以降の作品とは明らかにタンゴが変わってきます。

ピアソラの音楽は一人のプレイヤー、またアレンジャーによって大きく変わることの素晴らしい例です。彼の革新的なアプローチは、タンゴ音楽の可能性を広げ、後の世代にも大きな影響を与えました。

ファン ダリエンソも然り。アレンジャーやピアニストによって曲調が大きく変わります。

昨日、その曲を選んだのは、東京の現在の季節、長い冬が終わり、春の訪れを感じていただきたかったからです。フラッシュモブという新しい幕開けの後でもあり選択しました。この選曲に込めた想いを、事前にお伝えすることができず申し訳ありませんでした。この説明が、私の選曲意図を少しでも理解していただけるきっかけとなれば幸いです。

今後もミロンガやフラッシュモブにご参加いただき、一緒にタンゴを楽しんでいただければと思います。

今月は9日と23日に目黒Zitaでミロンガを開催しますので、ぜひお越しください。YouTubeには「ブエノスアイレスの冬」の演奏リンクを貼っておきますのでぜひご覧ください。

Abrazo GYU

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