「犬猿」を観て

マツモトキヨシで買い物をしたのですが、お目当ての商品に辿り着くのに難儀致しました。というのも、最寄りのマツモトキヨシは大型店舗なのです。私ような空間把握能力皆無の木偶が、自力で売り場の区分を理解し、自在に縦スクロール、横スクロールするのは極めて困難。入口付近で「あれ、こんなとこに薬局あったっけ?入ってみるか」とコントの導入を演じるのが精一杯だったのです。

そんな木偶に一人の店員が気づいて駆け寄ってきました。年齢は40代くらいの男性、洗練された都会的な身なりとルックス。軽やかながらも落ち着いている足どりから人生経験の豊富さや、仕事に対する誇りさえ伝わってきます。

家の近くのマツモトキヨシです。

「どこ中?」

流石、類まれなる接客の才を持つマツモトキヨシの店員。たった一言で初めて来店した私の緊張をほぐし信頼関係を築き上げたのです。

「サウジ四中、2個上に日ハムの斎藤佑樹おる」

その後、会話はまるで旧知の友の如く盛り上がったのは言うまでもありませんよね。、いくつになっても弁償コールされるとテンパるよねとか、求められなくても検便は提出するべきとか、自室にミシンがある女って母乳の軌道がスライダーっぽくね、とか。会話の内容は多岐に渡りました。

購入したものです。

LUX Super Rich ¥356
LUX Super Rich イカ入り ¥425
LUX Super Rich 円広志サイン入り ¥227850
LUX Super Rich インストゥルメンタル ¥1500
LUX Super Rich 盆踊りver ¥1200

盆踊りverは世の中に沢山あります。

じゃあ、映画「犬猿」の心に残った所

この映画はタイトル通り、犬猿の仲の2組の兄弟、姉妹間の話。4人とも基本的に激昂、抑鬱状態なので、家庭内で誰かに物を投げつける、又それに付随して近くの他のものが落ちる。スナック菓子や酒とか自分の手に1番近いものを選んで、反射的に。必然的に床は汚れるので登場人物達がその後掃除をするシーンが何回かある。
人は床を掃除する時の表情は力強さと冷静さを兼ね備えていた。みんな良い顔をしてた。この映画を観るまで人が良い顔をする時は覚悟を決めて何かに立ち向かう場面しか無いと思っていた。大病を患う覚悟でスカイブルーのクリトリスに舌を絡める時、無印良品の木の温もりガンガンのエリアで卒アルを燃やす時、組長の空いたグラスにアクエリアスを注ぐとき、おはこんちにはって言うと決めたOA直前。

これくらいしか無いと思ってた。人は床を拭いて良い顔をする。明日から皆様も床を拭きましょう。
跪き、フローリングの僅かな隙間の奇跡的に直線のベビースターラーメンをほじくり返し、抑鬱、焦燥、慢心、色欲を超越してこの世紀末を耐え忍びましょうよ。


「床ぁ、磨いとるようで自分磨いとるんですわな」寺田心(戸塚ヨットスクール創設者。1926〜2019没)の言葉にあるように、「犬猿」もこの不文律に忠実に作り込まれていた。


あらすじ


印刷会社で営業を担当している真面目な弟・金山和成(窪田正孝)のところに強盗罪で服役していた乱暴者な兄・卓司(新井浩文)が刑期を終えて転がり込んでくる。

家業の印刷工場を切り盛りする太っていて見た目がよくない姉・幾野由利亜(江上敬子)と、頭は悪いけどその容姿と人当りの良さで芸能活動もしている妹・真子(筧美和子)

複雑な感情を抱く二組の兄弟・姉妹の出会いにより、それぞれの関係が変化し始める。

ウィキペディアより引用

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