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ヒルシュスプルング病の診療科

私はヒルシュスプルング病により0歳で大腸(結腸)全部と小腸の一部をとっています。

今回は、ヒルシュスプルング病はどの診療科で診てくれるのか、について書きたいと思います。

ヒルシュスプルング病は先天性の疾患です。
まれに大人になるまで判明されないケースがあるものの、ほとんどが生後1年くらいまでに診断されます。
そして、腸の神経のない部分を手術で切除しなければなりません。

診療科としては、子どもの病気なので小児科、小児科の中でも手術をするので「小児外科」となります。
なお、手術をするので街中のクリニックでは対応できません。子どもの手術ができる、しかも珍しい疾患となると、必然的に大学病院レベルの大きな病院にかかることになります。

ではその後、小児外科の次はどうなるのか。

一般に、小児科が何歳まで診てくれるのかについては、はっきりとした決まりはありません。
15歳から18歳くらいの間に成人の診療科に移ることが多いものの、疾患の特殊性や主治医との関係性などにより20歳を超えて小児科に通院することもあります。

ヒルシュスプルング病の場合、小児外科が終わってしまったら、次は「消化器内科」になります。
合併症によっては違う診療科でフォローされるでしょうが、そうではない場合、とりあえずは消化器内科です。

消化器外科は、手術を前提とした診療となるので、術後に新たにかかるものではありません。
大腸・肛門科もどちらかというと外科系で、対象疾患は主に痔や大腸ポリープ、大腸癌などです。
ほとんど消去法で消化器内科になります。

ただ、小児外科領域であるヒルシュスプルング病については、残念ながら消化器内科の医師は詳しいわけではありません。
また、治療といっても残った腸の不調に合わせて対処することしかできません。具体的には、下痢や便秘、ガスの貯留、腹痛などのおなかの症状に対して薬を処方したり栄養状態をチェックしたりということになります。
最先端の医療でも、切り取った腸を再生できるまでにはまだ至っていないようです。

では、消化器内科ならどこでも構わないかというと、それはちょっと微妙です。
治らない(症状を和らげるしかできない)ものに対してどこまで向き合ってくれるかは、その医師の熱意によるとしか言いようがない、というのが個人的な感想です。
ヒルシュスプルング病に詳しくないと言いながらも病気について熱心に調べてくれる医師もいれば、明らかに関心がない調子で「大腸がないので(その症状は)しょうがないと思いますよ」と言う医師もいました。
患者側からすると、医師の熱意の度合いはすぐ察知できるんですよね。

月並みの言葉になりますが、結局は患者のつらさをわかろうとしてくれる人が「信頼できる医師」になると思います。
そして、結論がズレてしまいますが、そういう意味では診療科というものにあまりこだわらなくていいのかも知れません。

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