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イップ・マン 完結

10年に渡るドニー・イェンのイップマンシリーズの最終章。イップ・マンの最期を見届けてきました。


これは完結にして至高の作品と言い切れるでしょう。

今までの3作品は全編においてドニー・イェンの品格ある詠春拳が思う存分楽しめるというところで、中国武術好きが満足したのは言うまでもありませんが、特に2作目「イップ・マン 葉問」は武術とエンタメのバランスがよく取れた作品で、茶楼での戦いは何度見ても熱くなってしまうのです。

しかし、あのサモ・ハン・キンポーとの戦いを凌ぐ漢の心技の闘いを今回最終章で見せつけられるとは。

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詠春拳 VS 太極拳

両師匠の卓越した精神。どの武術にも通じる思想。瞬きするのが惜しくなるほどの崇高の心技体に圧倒されました。


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太極拳の師匠ワン・ゾンホア演じる呉樾(ウー・ユエ)

失礼ながら今回初めて知った俳優なのですが、最初の単鞭の動きで完全にノックアウト。もう彼しか目に入らない。


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この完璧な単鞭を見てくださいよ。

これを眺めながら何杯でもお酒が飲めます。

私、過去に少しだけ太極拳を習っていたことがありましたが、こんなに美しい太極拳、しかも実戦はなかなかお目にかかれるものではありません。

身のこなしにはただならぬオーラがあり、スピード、安定共に抜群なのですがそれもそのはず、16歳で武術表演者に贈られる国内最高ランクの「武英級」を当時の最年少記録で取得、翌年の1994年に、武術選手権大会にて八極拳で全国優勝を果たす実力の持ち主でありました。

太極拳演舞では手は顔と同じと言われるくらい、手の動き、指先の表情までが重視される競技ですが、ウー・ユエの爪先、指先までも美しく、重心と軸のしなやかでいて力強く安定したバランスに、これ逆に惚れない人はいるのか?と思ってしまうほど。

よくぞ彼をキャスティングしてくれました。

ストーリーもよく練られており、見所もたくさんあるのですが、私はもうウー・ユエしか目に入らない。

最後までウー・ユエの太極拳だけを見せてくれ!という心境に至りつつ、最後はイップ師匠の熱い戦いに静かに落涙するのでした。


いつかウー・ユエ主演のカンフー映画を観せてください。

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