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〈祝WBC優勝!〉歴代最強 悲壮感のない侍ジャパンと、大谷翔平の「言葉が追いつかない」問題

祝・侍ジャパン、優勝✨✨🙌🙌
とっても楽しく、心に残るWBC2023でしたね!

開幕の直前に、WBCの中継に関するこんな記事を投稿していました。

要約すると
「TBS中継テーマ曲の『Separate Ways』は悲壮感があって日本的で、侍ジャパンに合ってる。洋楽だし、戦いの歌でもないのに面白いね」
という記事なのですが、これが私にしては、かなりたくさんのビュー数をいただきました。

WBC効果、恐るべし!読んでくださった方、シェアしてくださった方、ありがとうございます。

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しかしWBCが終わり、この記事に書いた内容に自分で少し違和感を持って、この記事を書いています。

「Separate Ways」が正直、これまでほど雰囲気に合ってなかったように思えて。
なんでなんだろう?
私の疑問にヒントを与えてくれる記事が、文春で出ていました。

この記事の筆者の方は「(新聞、スポーツ紙などが得意とする)大仰な表現は、大谷には似合わない」と言います。「男気魅せた」とか「怪物」とか。あと記事には書かれていないけど、「魂の投球」とかもよくありますね。

大仰な表現と大谷翔平は相性が悪い。大谷を堪能するには目の前の技術を目撃できれば十分であり、とくに物語性やエモさはいらないのだ。
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『大谷が凄すぎて言語不足状態』(東京スポーツ3月19日付)
 新聞だけでなくテレビ局も困っているというネタである。ある放送関係者は「大谷のすごさやプレーをどう伝えたらいいのか。どんな言葉を使っても、実際のすごさに比べると安っぽくなってしまうというか…」と頭を悩ませているという。

上記の記事より

言葉のプロの、記者さん達をも悩ませる大谷選手。彼の前では、どんな言葉も陳腐になってしまうと。
テーマ曲なんて、尚更ですね。なんだか腑に落ちました。

準決勝メキシコ戦で、ヘルメットを脱ぎ捨てて走り抜けたあの姿。あの時の大谷選手はもう野球選手というより、宮崎駿かディズニーの映画の主人公のようでした。

もちろん、悲壮感なんてものはなかった。
そして他の選手たちも、大谷に気圧されることなくその雰囲気に乗り、思う存分実力を発揮した。打撃はもちろん、決勝戦のNPBの投手達のリレーは、本当にすばらしかった。ダルビッシュ選手が、キャンプ時からしっかりケアして雰囲気を作り上げたのも大きい。

もう、日本代表を背負う=悲壮感、という時代ではないのでしょう。
すごいなぁ、侍ジャパンの若者達。あのイチローや松坂ですら、国際大会では悲壮感を漂わせていたのに。それだけ、ダルビッシュ選手の心配りと大谷選手の影響が大きかったのか。

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もうひとつ、大谷選手に似合わないものがあります。
私は実は、岩手県出身(高校卒業までずっと住んでいました)。でも、大谷選手を「郷土の誇り」と自慢する気には、あまりなれないのです。
先ほどの記事風に言うと
「大谷に『郷土の誇り』という言葉は似合わない」。

別に、お国自慢が嫌いなわけではありません。岩手出身の、自慢したいアスリートはたくさんいます。
楽天の銀次選手や、相撲の錦木関(幕内力士です)は大好きでいつも応援しています。無意識にだけど「郷土の誇り」と思って応援していると思います。

あと、スキージャンプの小林陵侑選手、大谷選手の先輩であり現役メジャーリーガーの、菊池雄星選手。彼らもとんでもないスケールのアスリートだけど、まだ「郷土の誇り」という言葉がしっくりくる感じはあります。

でも大谷選手となると、やはりしっくりこない。なんかもうすごすぎて、岩手出身とかそういうのいいです、と言いたくなる。もはや郷土の誇りとか、そういうレベルではないのです。

岩手でなぜ、大谷選手のような人物が育ったのか?と聞かれても、多分誰もわからないでしょう。ご両親ご家族は立派な方々だろうし、花巻東高校の監督も素晴らしかったと思う(この監督といい栗山さんといい、彼は指導者には本当に恵まれた)。でも、育てようと思って育てられるスケールの才能でもない気がします。

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大谷選手は、どんな力があって、どんな人物なのか。
まだ、全貌は見えていません。本人はまだまだ、進化するつもりのようだから。
全貌がわかって、それを的確に表現できる言葉が見つかるまで、あと何年かかるか。もしかして、何十年もかかるのかもしれません。私が生きて元気でいるうちに、その言葉が見つかるといいなと思います。その時にまた、大谷選手について何か書いてみたいです。

野球のレギュラーシーズンが、もうすぐ始まります。海の向こうの大谷選手の活躍をまぶしく見守りつつ、大好きなNPB(日本プロ野球)の観戦に全力集中したいと思います。

NPBも、面白いですよ。

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