オフコース〈哀しいくらい〉シンプルな歌詞とメロディの力
「哀しいくらい」(1981)は、私が最も好きなオフコースの歌のひとつ。
とても哀しい歌のようで、実は別れの歌ではない(と私は思っている)。
この歌が作詞された時の映像が残っている。その中で小田和正さんが
「別れ歌を作りたくない」
というようなことをつぶやいていたのだ。
その映像の話は、こちらに詳しく。
この時オフコースは、オリジナルメンバー・鈴木康博さんの脱退が避けられない状態にあり、それを憂えた歌詞なのでは?という人も多い。
そうなのかもな、でもそれだけじゃないよね、と思う。
この歌は誰もが持つ恋愛の切ない記憶を、とてもシンプルな言葉と旋律で表現してくれる。
イントロの「タタッ」というドラムの音から、最後まで。
聴くと、束の間そういう記憶の中にトリップさせられてしまう。
少なくとも私にとっては、そういう歌。
* * * * *
おそらくオフコース、小田さんにとっても大切な歌なのだろう、何度もセルフカバーされている。一部をご紹介。
「MELODY」(1985)
(アルバム「Back Streets of Tokyo」収録)
「哀しいくらい」の全編英語詞バージョン。今で言うとシティポップ的な感じで、おしゃれにアレンジされている。
「哀しいくらい」(2007)
(シングル「ダイジョウブ」カップリング)
バックコーラスに松たか子さんを迎えた、小田さんソロでのセルフカバー。
でも一番「青春」ぽくて惹かれるのは、やはりオリジナルバージョンな私です。
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