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偶然と想像

26歳地方住みポンコツOLの餃子2人前でです
濱口竜介監督の映画
『偶然と想像』を観てきました

偶然と想像

映画館で観る映画は
知らない街に出かけた気持ちになれる
私は地方に住んでいるため
気になった映画があれば
まず県内で上映があるか調べる
映画の公式サイトの
TrailerとTheaterを間違えつつも
Theaterに辿り着き
ちょっとだけ家から離れた街の映画館や
近所だけど特別感のあるミニシアターなどで
上映されていると知るとかなりワクワクする
今回はTrailerが無かったおかげで
易々と辿り着き
近所のミニシアターで観れると分かった

『偶然と想像』は3話の短編が
連作になっている映画だった


1話「魔法(よりもっと不確か)」

信用している役者の古川琴音さん
彼女は特別に華やかではないのだけど
表情や仕草を一瞬たりとも
見逃してはいけないという気持ちになるし
くるくる変わる彼女の演技に惹きつけられる
好きって気持ちは純粋な好きだけではなく
執着だったり恨めしい気持ちだったり
マイナスの気持ちも込みだったことを思い出す
胸の奥がキュッと痛くなるようなお話だった
親友が、運命のように出会った相手が
自分の元彼だった主人公
元彼に今でも執着していることを伝えに行った
後日、親友といる時に元彼と出会ってしまう
本当は親友に元彼と会ったこととか
打ち明けてもいいはずなのに
最後は先に帰るね〜と大人な対応
この対応は優しさでもあると思うんだけど
諦めでもあるのかなと感じた
こうなった偶然への諦めのように感じた
元彼にいろんな感情をぶつけに行った主人公と
最後にすんなり帰る主人公の二面を
人間は内包しているというのが美しい

2話「扉は開けたままで」
少しセクシーなスタートだったので
戸惑ってドキドキしたけど
思わぬことに共感したり
救われたりする体験ってあるよなあと思った
そしてギブアンドテイクで打算的な行為と
誰かのために何かをしたいという
能動的な行為が比較されていたように感じて
いいなあと思った
欲とか興味とか好奇心とかも
紛れもなく人間だし、
でも相手から見返りが求められてなくても
何かを返したくなる気持ちも
紛れもなく人間って気がする
物語では偶然はいい方向には動かないんだけど
我々は人間として生きているんだなあと
いうことを強く実感させられた

3話「もう一度」
出会いって奇跡が重なってるんだなと感じた
出会いって奇跡が重なってるなんて
何だか恥ずかしくて普段思いもしないけど
この映画の中では恥ずかしげもなく分かる
1時間、1分、1秒そこにいるかいないかで
出会ったり出会わなかったり……
この言葉を言っていたらみたいなことでも
人生は大きく変わる
3話では勘違いがきっかけで出会った2人が
同じ時間を過ごして価値観を交換する
彼女らは今後その時間に支えられて
過ごしていくのだろうなと実感できたのが
観ていて何だか私の支えにもなった
そして1話と2話のセリフなどが
伏線とまではいかないんだけど
じんわり響いて効いてくるのが嬉しかった


濱口監督の映画を観るの初めてだったので
どんな感じなのかなあと
楽しみと不安が共存してたけど
終わったあともう一回観たいって思うほどに
余韻のある素敵な時間を過ごせた
説明できないいろんな感情に
たくさん振り回されて
こういう感情が振り回される体験も
最近はなかなかできていなかったので
心を動かされるのはいいことだなと感じました

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