風になりたかった

「きみは切り替えはやそう、でも意外と落ち込んでそう」

そんな会話を投げかけられた。

私は、

「一つ一つの事柄に対してどうこう思うよりは、アルコールで躁になるか二日酔いで鬱になるかの二択。そして平常時の無気力と、ときたま変なところから湧き上がる、一銭にもならない活動に対するやる気」

そう応えておいた。


母親はいつも家で職場の悪口をいう人だった。聞いてもわからない固有名詞を並べてぐだぐだと常時しゃべり、家庭の会話の機会を奪う人だった。記憶をただ書き換えただけかもしれないが、私は母親にあまり自分のことを話した記憶がない。


会話相手がいなかったので代わりにつけていた日記を、大学進学直前というタイミングで勝手に読まれたことがある。私は高校時代に一度、好きでもない人に性的な搾取をされたことがあり、そのことを綴ったページを読んだ母親はなんか発狂していたようだ。自分はもうどうでもいいけど、とりあえず自分のせいでまた家庭内バランスを乱してしまったと思い、はやく遠くに逃げたかった。

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そんな地元企業に対する熱い想いを綴るエントリーシートを今から書かなければならない。全部中途半端で、うまく笑えなくて、奇形が好きで、そんな自分をちょっと殺して歯磨きするように働きたいけど、なかなか全部むずかしい。

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