見出し画像

爺ちゃんの独り言 95


読了 下巻  自由の命運 国家、社会、そして狭い回廊 (上下)ダロン・アセモグル&ジェイムス・A・ロビンソン 訳 櫻井祐子
原題 The Narrow Corridor は各国の近代化(回廊の中へ)の概略史といえるかな。コロナウイルスの各国対応と関連付けができて第14&15章は特に面白かった。
続きは→爺ちゃんの独り言 95|爺ちゃん @gchan92416212 #note https://note.com/gyou1/n/nf63b3bb1166c

続き

(読みながら、Evernoteに下から上に思いついたことを書き込んでいるので読みにくくてすいません)
第一五章 リヴァイアサンとともに生きる
国家と市場のバランスはこれからキーになる
スノーデンはココに出てた(笑)
>「 私は自分のデスクに座ったまま、 誰でも盗聴することができました。個人のメールアドレスさえわかれば、(略) 大統領さえ盗聴できたのです」

個人的には
国家運営はある種の組織運営で、身近で言うとサッカーチーム運営のイメージ
各国にプロサッカーリーグがあり(まだ無い国も勿論ある)、
国内リーグで強くなり(入れ替え戦もあり)、
世界と戦う。
チームは、選手などグランドレベルのフロントヤードとチーム運営のバックヤードがあり、フロントとバックの連携(リヴァイアサン)がチームを強化する。
監督または経営者が専横的だったりしてチームが弱いと
サポーターの皆さんの声が大きくなり不在のリヴァイアサンが働く
真に強いチームは、バランスを取りながら(足枷のリヴァイアサン)
常にトップクラスを維持する。

国家と組織の違いはなんだろう?
世界はひとつだけど、組織は相手がいないと成り立たない。

でも考え方を変えると、国家が無くても困らないが、
アマゾン、アップルやグーグル(スマホ)が無いと困る人が、多数じゃないか?
だからこそ、国家と市場のバランス調整が必要なんだろうけど。


第一四章 回廊の中へ
アパルトヘイトで習った南アフリカ共和国 といえばネルソン・マンデラさん。この章で、明治維新後の日本が下の図「経路1」で引用されている。
特に1941年東条英機内閣で商工大臣となった岸信介の経歴が出てくる。現安倍晋三首相が岸信介の孫であるという表記も含めて長い。
>「アメリカお気に入りの戦犯」とも呼ばれた岸、(中略)(完膚 なき までの 敗北 が なかっ たら、 日本 に 現れ た だろ う か?)、
→今の日本が短期間で回廊の中へ入った理由は、欧米の植民地支配の中で、岸信介等を処刑せずに合衆国が導いたお陰で成功例の一つという視点。
トルコでは日本のように回廊の中へ上手く入って来れず、その原因を見ていくと専横のリヴァイアサン中国共産党の将来も見えてくるという。

> 選挙制民主主義国家の数は、19世紀末の数カ国から1970年代に40カ国、2010年には120カ国に増えた
グローバリゼーションがつくる回廊 には韓国と中国が出てくる
悪魔は細部に宿る。

第一三章 制御不能な赤の女王
ペルーといえばフジモリ大統領の
民主的政権による平和的なイメージを個人的にしていたが
実態は独裁的で不透明な政権だったんだね。
回廊という自由に足枷のある民主的国家こそが
逆に国民にとって最大限の自由を享受可能ということかな

第二次世界大戦前のナチス党政権ができるまでの概略
比例代表制に基づく選挙制度のせいで、1928年当時15の政党が国会に代表を送り
議席に届かなかった政党がもう26党あり政党乱立状態だった。
単独過半数を得た政党は一党もなく、すべての政権が連立政権だった。
1919年から1933年に20の内閣が成立し平均任期は239日だった。
政権は大統領権限への依存度高めた。
大統領には緊急命令権(48条)と議会解散権を持っていたため、
非常事態条項の49条を136回も行使した。

→これって、今の日本に近くね?小選挙区比例代表制の時
政権交代が可能な政治制度とか言ってなかった?

ゼロサムの赤の女王にもあるように、
妥協点を見出しながらも理想に近づくのではなく
有りか無しかのゼロサム思考に陥ると
極端な方へ振れやすいのは、人間というよりAIが得意な思考だろう。

第一二章 ワッハーブの子どもたち
>女性は近親者以外の男性に触れられてはならない。挨拶で握手することはおろか、救命治療を施すことさえできない。サウジアラビアでは女性は不可触民なのだ。
(中略)
>世界経済フォーラムの男女平等ランキングでは、サウジアラビアは一四九カ国中一四一位である(アラブ首長国連邦は、序章で見た男女同権賞まで設けているのに、サウジアラビアより少し上の一二一位でしかない)。
https://sustainablejapan.jp/2018/12/18/gender-gap-index-2018/36138

ちなみに、日本は110位/149カ国である。これってどうなの?


第一一章
張子のリヴァイアサンの小題から
張子の虎を聞いたことはあるが。。。。

>本書では、アルゼンチンやコロンビア、その他ラテンアメリカとアフリカの数カ国のダックテストを欺く国家、つまり見かけは立派だがごく基本的な能力しかもたない国家を、張り子のリヴァイアサンと呼ぼ う。

→南米サッカーで有名な、アルゼンチンやコロンビアが国家の体をなしているようでなしていない。
まるで、張子の虎のようだ。という意味での小題。

>コロンビアの政治家ダリオ・エチャンディアは、自国の民主主義を「タキシードを着たオランウータン」のようだと揶揄した。張り子のリヴァイアサンの本質をとらえたひと言だ。タキシードは、有能な官僚機構をもつ秩序正しい国家という、外面を指している。ただしその外面は、ときに国を略奪するために利用され、実態は往々にして混乱している。オランウータンは、張り子のリヴァイアサンが管理できず、管理しようともしない、すべてのものを指している。

→そして、張子のリヴァイアサン国家は、南米だけじゃなくリベリアやガーナ等のアフリカや世界各国にあり、
>共通点はどれもヨーロッパ諸国による植民地化の産物なのだ。

ダックテスト
https://wpedia.goo.ne.jp/wiki/ダック・テスト

NSA(FBI&CIA)は以前読んだ
エドワード・スノーデン
暴露 NO PLACE TO HIDE グレン・グリーンウォルド 訳/田口俊樹・濱野大道・武藤陽生   スノーデンが私に託したファイル
の暴露に出てきた盗聴のような事になると
日本で言えば
敗戦後も戦前の組織のまま残ったと言われる(ホリエモン)
「検察」に当たるのかもしれない。

>アメリカの奴隷制、アメリカの自由
アメリカの南北戦争といえばリンカーンで
リンカーンといえば「人民の、人民による、人民のための政治」
ぐらいしか知らないが
その後は奴隷制度はほぼなくなったと思っていたけど実態は違ってたんだね。歴史的に言うと時代によって環境は変わる。となるんだけど
社会的側面から言うと、
「論理より(その時々の)心理」によって人間(社会)は変わる。
と言えるんじゃないかな。

並行して読んでた
茶の本 武士道 代表的日本人 合本版
の茶の本に
>ひとりの僧侶が「動いているのは風だ」と言い、もうひとりは「動いているのは旗だ」と言う。 すると慧能はふたりにこう説いた。 「動いているのは風でも旗でもなく、お前たちふたりの心の内にある何かである」
(中略)
ある日、荘子はひとりの友人と川岸を歩いていた。 「水の中で魚たちがなんと楽しそうにしていることか」と荘子が感嘆した。 すると友人がこう言った。 「君は魚ではない。それなのにどうして魚が楽しんでいるとわかるのだ?」 すると荘子はこう切り返した。 「君は私ではない。それなのにどうして私が魚が楽しんでいるのがわからないとわかるのだ?」

→これは、上巻にあった
鏡の国のアリス に出てくる 赤の女王効果
( >その場にとどまるためには 走り続けなければならない状況)のパラドックスとは言えないが似てるなぁと。


>戦争が国家をつくり、国家が戦争をつくった
ドイツ前のプロイセンと周辺


インドのカースト制度が全くイメージできない。アメリカのシリコンバレーや世界企業の重役にインド人名が見られるけど、カースト制度的には最下層の不可触賤民じゃないんだろう。でも本当にそうなのかな?

以上、下巻の爺ちゃんの独り言。
ありがとうございましたm(_ _)m

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?