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状況を打破してブレークスルーを起こすにはどうするか?

全体最適の行政マネジメント研究会 行政課題解決セミナーレポート
2023年6月24日 オンライン開催

 みなさんの職場では以前と比べて、仕事は減っていますか?増えていますか?人や予算はどうでしょうか?
 必要な仕事は減らせないし、新しい仕事はどんどん降ってくる。一方で、人やお金はお世辞にも潤沢とは言えず、むしろ減っているかもしれません。
 日々溜息を漏らしながら、目の前の仕事をこなすことに精一杯頑張るしかない、としたら、いつか良くなるという淡い期待も、夢のまた夢かもしれません。
 そんな状況は、どうすれば打破できるのでしょう?
 TOCには、閉塞した状況を打破してブレークスルーにつなげるプロセスがあります。
 今回のワークショップでは、実際の事例を使って、その威力を体感してもらおうと思っています。

講師メッセージより引用

ワークショップレポート

 今回のワークショップでは、国土交通省近畿地方整備局の井上さんの、「持続可能な河川の維持管理」についての課題について議論しました。

 日本は厳しい国土条件で、最近の大雨等の異常気象も重なり、水害が発生しやすくなっています。治水のためには、堤防やダム等の河川管理施設を適切に維持管理する必要がありますが、管理対象施設の増大や老朽化、労務単価の高騰などで維持管理に要する費用が増加しており、厳しい状況となっています。
 持続可能な河川の維持管理をしていくにはどうすればいいか・・・井上さんは悩んでいました。

 (岸良)何をしたらいいかわからない。そんな相談を受けること、あると思うんです。皆さんだったら、どうやってさばきますか?

 ワークショップが始まりました、岸良さんのファシリテートのもと、問題が整理されていきます。

 (岸良)難しい、厳しい状況の中、現場で一生懸命頑張っている方は、頑張っていればいるほど、混乱していて目的を言葉にすることが難しいもの。そんな方に「目的は何ですか?」と聞いても、答えが出ないことがあります。

 そんな相手にどう質問したらよいか、みんなで質問を考えていきます。そんな中で、「困っているのは○○ではないか?」という質問に、井上さんが「そうですね」と反応します。

 (岸良)相手が混乱している状況の中で力を発揮する質問は、「本当にお困りなので、○○なのではないでしょうか?」という質問です。相手の重大な悩み・お困りごとを本人に代わって言ってあげる。ポイントはShort & Clear に表現することです。

 相手の重大な悩み・お困りごとがわかれば、後は解決策を考えるだけ。みんなで解決策のアイデアを出して、ワークショップが終了しました。

今回の学び

 打合せの前には、相手を想像して、相手の重大な悩みを考えて準備しておく。それが相手の悩みに合えば、相手の脳内でブレークスルーが起こるとともに、相手の信頼を獲得することもできます。すなわち、相手の重大な悩みをShort & Clear に表現することが、ブレークスルーへの突破口となります。

講師・ファシリテーター

岸良裕司
 株式会社Goldratt Japan CEO。全体最適のマネジメントサイエンスであるTOC(Theory Of Constraint:制約理論) をあらゆる産業界、行政改革で実践。最先端のTOC知識体系の、「楽しく」、「わかりやすく」、「実践的」な講義と、参加者をワークに集中させるファシリテーションから、たくさんの学びが得られると大好評である。

全体最適の行政マネジメント研究会

 全体最適のマネジメント理論TOC(制約理論)を活用し、「お金を使わず 知恵を使って」を合言葉に、行政、民間の参加者が垣根を越えて、日本をよくするために知恵を出し合い、問題解決に取り組むNPO法人。そのセミナーは、身近な行政課題を題材に、TOCを実践的に学べる場となっている。

https://tocgyousei.org/

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