マガジンのカバー画像

怪談 超ショート あっという間に読める恐怖の物語。

506
実体験、体験者からの伝聞、創作など、様々な怪奇と不思議な短編をまとめました。 #ショートショート #短編 #怪談 #不思議 #恐怖
運営しているクリエイター

#SKYWAVEFM

「絶対当たる占い師」 作・夢乃玉堂  絶対の恋を求めて占い師の元を尋ねてきた女性を待ち受けていた運命とは?

「絶対当たる占い師」 作・夢乃玉堂 緑鮮やかな渓流の流れは、意外に冷たく早い・・・ それが、その時の印象だった。 岩に当たって弾ける水しぶきが入り口を濡らす丸太小屋に、真野智花(まのともか)は入った。 肌にまとわりつくようなお香の香りが、智花に仕事を思い出させた。 壁際の影の中には、設え付けの棚が隠れるように鎮座していて、 埃を被ったアンティークな装飾品が並んでいる。 智花は、小屋を訪れた目的も忘れ、それらの品々に見入っていた。 「

「絶対当たる占い師」(リトライ版)・・・本日放送。演出が変わるとどう変わるか。

本日、14日木曜日。SKYWAVEラジオで私の短編が朗読されます。 番組は、16時00分~16時59分の「清原愛のgoing 愛 way」 おなじみの、ナレーター俳優として活躍中の清原愛さんが、元気なMCでお届けします。 朗読で読んでいただく作品は、このサイトのトップでも読める「絶対当たる占い師」。 以前、清原愛さんが一度チャレンジされたのですが、 今回は、さらにバージョンアップした新演出での朗読です。 果たして、清原愛さんがどのように料理するのか。 皆さんも是非お楽

ある日突然・・・世の中が変わってしまう事がある。

嫌なニュースが続いています。 世界中がきな臭くなっていってはいけないのです。 そんな現実を見つめながら、少し前に思っていた事を考え直した。 それは、「宇宙人なんかが来なくても、地球人は・・・」ということだ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「隕石、戦争、宇宙人」 by 夢乃玉堂 ある日の放課後、同級生の南が友達を集めて、 「重要な話がある」と言い出した。 「201X年にな。大きな隕石が降ってきよったやろ。みんな、覚えてるか?」 「ああ。光の玉が目の前かすめたり

「怪談会の伝統」は守られるべきか?

さて、怪談特集のラジオが終わったところで、 怪談をまとめて話す怪談会についてのお話です。 ただの良くある怪談が・・・ 「怪談会の伝統」  作・夢乃玉堂 俺の所属する大学生の怪談サークルは、 地域貢献のボランティアとして毎年、夏休みになると、 地元の小学生を集めてキャンプを行なっている。 例年ニ三十人が参加してくれる人気企画だ。 みんなのお目当ては、もちろん大学生のお兄さんたちが話す怪談会だ。 体育館に車座になって、部員たちが順に怖い話をしていく。 中にはプロ並みに上手

ご協力いただいた方々、ありがとうございました。

「めざせ100怪!ラジオde怪談」は、予定を3週も超えて、9月19日に とりあえず終了しました。 余りの好評に驚いています。来年も何らかの形で行いたいと思います。 ご期待ください。 さて、本日「めざせ100怪!ラジオde怪談」を番組内で振り返りました。 放送前から次々に怒った奇怪な出来事。 中には放送事業者として有り得ないようなトラブルも起こりました。 本当に恐ろしい事です。 番組内ではそれらの奇怪な出来事、不思議な出来事について語りますが、 その一部を紹介すると、

「褒められたことを思う時」・・・自らを知る。

人はおだてられると、すぐ図に乗るものである。 しかも、その儚い優越感を守るために全力をかける人がいる。 その内、なぜおだてられ褒められたのかすら忘れ、 おだてられ褒められるのが当たり前だと思ってしまう人もいる。 その一方で、それを乗り越える術が無いわけではない。 それに気づかせてくれたある夫婦のお話です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「最後のライバル」 「昔、『センセイと呼ばれるほどの馬鹿でなし』って言葉があっただろう」 俺はテーブルの向かい側でお茶を飲

「浅黄ちゃんの日記」・・・おばあちゃんのお見舞いに行くと。

子供の優しい心が、いつかとんでもない事を招く時があります。 それでも、優しい気持ちを持ち続けたいですね。 ・・・・・・・・・・・・・・・ 「浅黄(あさぎ)ちゃんの日記」 by夢乃玉堂 〇浅黄ちゃんの日記  風の冷たい日。 ママはどうして、浅黄の言う事をちゃんと聞かないのかしら。 海からお空に、奇麗な光が伸びてるのを教えようとしても、 「危ないから、車の窓から顔を出さないでね」って言って見てくれない。 でも、おばあちゃんは分かってくれる。 高台にあるお家の縁側に座って

「最後の伝言」・・・伝えたかった思いとは。

怖い女がよく登場する・・・と時々言われます。 女性が怖くなるのは、どこに原因がるのでしょうか? 勿論。その女性本人に問題がある時もあるでしょうし、 他に問題がある場合も。 あ。これ、女性だけとは限りませんよね。時には男性の方が怖い時もあります。 ・・・・・・・・・・・・・・・ 「最後の伝言」  by 夢乃玉堂 ベッドで昏睡状態に陥っている夫の持ち物だと言って、 妻にスマホが渡された。 「永遠の愛を。ダイアナ」 事故に遭う前に送ろうとしていたのだろう、 一通のメッセ

「死者のアカウント」・・・急逝した人のSNSはどうなる?

人生何が起こるか分かりません。 常に万一を考えて、日々の行動に気を使っておかなければなりません。 もしそれを怠ると・・・ 今回は、そんなお話です。 ・・・・・・・・・・・・・・・ 「死者のアカウント」 by夢乃玉堂 「ねえ、絵麻ちゃん聞いてくれる。 健ちゃんのSNSアカウントが、まだ生きてるみたいなの」 待ち合わせたカフェに着くなり、めぐみはピンクのスマホを取り出し私に見せた。 『健ちゃん』とは、めぐみの夫で、私の会社の同僚だった飯島健のことだ。 「ほら。これ・・

「願いを簡単に叶えてくれるものは」・・・意外に身近にあるのかも。

日々の生活に疲れてくると、つい楽な方法に手を出したくなりますよね。 そんな心を目指して。悪魔は誘惑してくるのかもしれません。 願いを叶える、もっとも早い方法をお教えします。 *加筆修正 ・・・・・・・・・・・・・・・ 「猿の手・願いを叶えるものは」 by夢乃玉堂 「ねえ母さん。猿の手って知ってる?」 中学1年のタケシが奇妙な事を聞いて来た。 「知ってるわよ。それを使うと、願いを3回かなえてくれるって奴でしょ。 ウサギの手とか、どくろの彫刻なんてのもあるわよ」 「

「いよいよ怪談も最終回!」・・・怪獣あり、ほっこりあり、ヒトコワあり。最後まで、多彩で楽しませてくれます。お聞き逃しなく。

本日、19日木曜日16:00~SKYWAVE FM 「清原愛のGoing愛Way!」では、「めざせ100怪!ラジオde怪談」のシリーズとして、 「猿の手」朗読・とよたまみさん 「死者のアカウント」朗読・外間愛彩さん 「浅黄ちゃんの日記」朗読・中田真由美さんの三本の私の短編が放送されます。 特に最後の中田真由美さんは、本業が歌手ながら中々聴かせる語りになっています。聞きごたえあり! インターネットで「サイマルラジオ SKYWAVE FM」と検索すると聴取できるサイトが出てき

うっかり言った一言が・・・「百年峠」

人には親切にするもので、ちょっとしたストレスから 冷たく当たってしまうと、 不思議な世界に引き摺り込まれてしまうかもしれません。 今回はそんな不思議なお話です。*加筆再録 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 「百年峠」 明和7年の夏といいますから 維新までまだ100年以上ある時代のお話。 出羽の国境にある峠の麓で、 平助というお百姓が畑を耕していた。 平助の畑は、峠越えの道の入り口にあり、 出羽三山に向かう修行僧たちが良く通りかかる。 この日も 篠懸の法衣に、頭襟

もしアルバムの中に、思い出にない記念写真があったら・・・

旅行から帰ったら楽しみなのが、旅先で撮った記念写真。 その中に恐ろしい写真が交じっていたら。 今回はそんな写真の不思議なお話です。*加筆再録 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 「聖地巡礼沖縄の旅(思い出に無い記念写真)」 高校1年の時から付き合っている志郎とは、もう4年目になる。 最近ちょっと倦怠期気味だ。 どこへ遊びに行っても、新鮮味が無く、 高級なレストランもどこか味気なく感じてしまう。 私は、倦怠期を乗り越えるため、 スマホに残っている昔の写真を志郎と一緒に見返

「不運があったからといって、不幸な訳ではない」・・・でも、これでもかと続いた時は。

幸福な筈の時間に大喧嘩をしてしまう。 そんな最悪の出来事も、必ずしも不幸とは限りません。 今回はそんなお話です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 『忙しいハネムーン』  作・夢乃玉堂 人生最高の幸福を噛みしめる新婚旅行。 私たちもそうなるはずだった・・・はずだったのに。 パンクにガス欠、エンストと、成田に向かう車に次々と故障が起こって、 飛行機の出発時間から大幅に遅れてしまった。 「拓也がこんなボロ車で空港まで行くって言うからでしょ」 「愛(まな)美(み)