来年からの新ルール。攻めるが勝ち? それとも堅実が有利?
皆さんこんにちは。
10月に北九州にて行われる世界体操が楽しみで最近眠りが浅い湯浅賢哉です。
今日は最近よく考えている体操での悩み事を記事にしていこうと思います。
題材はタイトルにもある通り、来年から適用される新ルールへどう対応していこうかなという話です。
ルールの変更項目などを確認すると、特に床での変更点が多くの選手を苦戦させるのではと自分は予想してます。
[現ルールで日本一の"床"選手 仙台大学 南一輝選手の演技]
【新ルール】床の主な変更点
(現在私が知っている限りの変更項目ですので、間違っていたり追加項目などありましたらすみません。コメントにて教えて頂けたら助かります!)
・演技時間が75秒になる(現在70秒)
・1回宙返りのひねり技から1回宙返りのひねり技を連続しても組み合わせ加点は発生しない
・前方伸身前宙と前方伸身ハーフは同一枠
・前方1回と1回半は同一枠
・前2回宙と前2回宙ハーフは同一枠(難度も一緒に。抱え込みはD、屈身はE難度に)
・後方1回半ひねりと後方2回ひねりが同一枠
・同じ対角線を3回続けて使用することはできない(使用した場合0.3の減点)、ただし2回使用した後にB難度以上のグループⅠ(マンナや十字倒立、フェドルチェンコ等)を実施すれば3回目でも減点なし
主な変更点としてはこのくらいでしょうか。
これらの主な変更点に加えて、いくつかの技が同一枠や難度格下げになっています。
例)ザパタ(前方2回宙返り1回半ひねり)がG難度からF難度
主な変更点の中でも特に多くの日本選手に大きく影響を与える変更項目が、組み合わせ加点の発生条件の部分だと思います。
事実上、組み合わせ加点は2回宙返りもしくは3回宙返り技を含む場合のみ発生するということです。
※切り返しでの組み合わせでは発生しません。
なにしろ日本選手はひねり技が得意な選手が多いので
後2回半~前2回 D+D で0.2
後ろ3回半~前1回 E+D で0.1
前1回〜前2回半 C+E で0.1
(もちろん他の組み合わせも多くありますが以下省略)
こんな感じの1回宙返りの連続技で組み合わせ加点を得る選手が多かったと思います。
ただ、前方1回ひねりと前方1回半ひねりが同一枠という変更項目、この変更項目が選手によっては意外と組み合わせ加点の発生条件以上に演技構成へ影響を与えるのではと私は思っています。
影響を受ける対象選手としては、前方一回ひねりからのシリーズを使っていながら、後方1回半から前方一回半のシリーズを使用している選手です。
先ほど例に挙げた通り、組み合わせ加点を取るために前方1回ひねりのシリーズを使う選手は多いです。
そしてC難度~C難度と組み合わせ加点は発生しないものの、2つのC難度を得られ、かつ着地まで狙いやすいシリーズは選手によってはお得と言えるシリーズでしょう。(自分は1回半のシリーズが苦手意識があり、安パイなんて思ったことないですし、ゆかの演技で1番不安なコースですが笑)
結構この2コースを使う選手は多いです。
[現在の私の床演技]
本題に戻ります
新ルール、攻めるか堅実に行くか
もし、床が得意な選手で現ルールDスコア6.3(そのうち組み合わせ加点0.3)だとしましょう。
単純に考えたら組み合わせ加点が無くなっても演技構成は6.0です。
同一枠になってしまう技など使用している場合はもっと下がったり違う技を選択しなければいけませんが。)
6.0あればまぁいいかとなる選手もいれば、ルール変更があったとはいえDスコアを下げたくないという選手もいます。
自分はどちらかというと後者。
Dスコアが下がるのは、どこか気に触るし悔しいです。
ただ本心ではそう思いますが、小さい頃から色んな経験を経てうまく判断することの重要さは心得ているつもりです。
どんどん技を入れれば良いって話でもなければ、リスクあるものを全て抜けば良いって話でもない。
この話は掘り下げると長くなりそうなので、また別の機会に😄
話は再び戻り、来年の試合まで時間があればあるほどレベルアップして来年を迎えるために、新ルールに適応しつつ以前より高いDスコアをと思う選手も多いでしょう。
ただルール変更があった年に限らずではありますが、今までやってきた演技の雰囲気をガラッと変えてまで、ルールに適応するのが果たして正解なのか。
慣れない演技で失敗するリスクを考えるとそうでもない選手も意外と多いのではと思います。
それこそ先を長く考えていない選手なんかは失敗のリスクを限りなく下げて、手堅く点数を得て、目の前の試合で成績を残すのも戦略です。
来年の春、恐らく多くの選手が新ルールに対応して演技構成をガラッと変えるんじゃないでしょうか。
周りのみんなが挑戦した演技をするとなった場合、
攻める?守る?
皆さんだったらどうしますか?
冒頭にも悩んでいると書いたように、自分はまだ迷っています。
毎年思っていますが、
どうしても代表に入りたい。
手堅く点数を取りたい。
失敗のリスクは増やせない。
ただ先のことを考えると、決して出来ないことをするわけではないし、挑戦もしたいし、レベルアップもしたい。
ついさっきまで悩んでると書きましたが、この記事を書いてみて、なんとなく今の気持ちは定まりました。
自分は欲張りなので、
現ルール用、新ルール用両方練習して、仕上がり具合によって判断する
→現ルールで使用してる技もちゃんと練習しつつ、新ルールに対応した演技を本気で使うつもりで練習する
といったところでしょうか。
なんだかこんなに悩んでる文を書いていると、まるでルール変更が嫌な選手みたいに思われそうですが、ここで一つ払拭したいのは、新しいルールで戦う1人の選手だからこそめちゃくちゃ悩んでいるだけです。
勿論、自分も一体操ファンとしてこの選手はこのルールになってこういう攻め方してくるのか。この選手はこういう作戦だな。って見るのが楽しみですし、自分自身、昔からビックタンブリングが多く入ってる選手が好きなので(特にあまり他の人がやってない構成)楽しみで仕方ないです。
長文になってしまいましたが、最後まで読んで頂いた方々、ありがとうございました❗️
あくまで全て私の個人的な意見になります。
参考程度にルールに対して選手として、指導者として向き合ってみて下さい!
次回という訳ではないですが、後日投稿予定
新ルール湯浅賢哉はどう戦う?【鞍馬編】
乞うご期待❗️
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