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雨が降ると安心するのは

昨日は義務教育時代のお友達と美味しいお料理を食べ、シンデレラより早く家に帰り、それから特に何もせずに寝たので、今日は朝9時に自然と目が覚めました。レースカーテンの奥に見える外の世界が白く静かだったので、ああ雨が降っているんだなと思いました。

唐突ですが、私は中学生のころ、陸上部に入っていました。平日火曜日から金曜日の放課後と、土日の午前中は部活の時間でした。好きで入った陸上部でしたが、部活に行くのはとんでもなく嫌でした。

いじめられていたので。

それでも平日は、生徒会を理由に遅刻したり休んだりすることができていたので(もともと緩い部活だったので)、嫌とはいえども何とかなっていました。
問題は土日でした。土日は生徒会の活動が(忙しい時期を除いて)なかったので、きちんと朝から練習に行かざるを得ませんでした。授業終わりにばらばらと集まったり誰かが塾や習い事で抜けたりする平日とは違い、土日はみんなが同じ時間に来て同じように練習をするので、楽しく練習に励むみんなと、みんなの中に入れてもらえない私が強いコントラストになっていて、それに気づくたび、
こんな惨めな思いをするために生まれてきたんじゃないのにな
と思っていました。

でも、雨の降る日は様子が違いました。
いつもは同じ休憩場所を使わせてもらえない、使おうとするとみんなに逃げられてぼっちになってしまう私でした。しかし雨の日は、狭い校舎で他の部活と場所を取り合っていたので活動スペースが狭く、物理的に私を排除することができなかったのでしょう。それに他の部活や校舎内にいる先生たちの目もあって、あからさまな行動に出づらかったのかもしれません。理由は想像でしかありませんが、雨の日は私にとって、みんなの言う「みんな」に私も入っていて、同じ空間にいて、話しかけられることもあるような、そんな特別な日だったことは事実です。

だから私は雨の日が好きでした。朝から雨が降っている日は、いじめられない日だったからです。

それからもう何年も経ちますが、朝起きて外を見て、雨が降っていると、
”今日はいい日になりそうだな”
と今でも思います。

写真元:ゆきだるまさんによる写真ACからの写真

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