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教員になる!とは言わないけれど

こんにちは。研究室で鬱になっているあやなかです。
3週間、高校に教育実習に行ってきました。そこで感じたことを、記憶がフレッシュなうちに書き留めておこうと思います。

なぜ教職課程に進んだか?

私は、教育大学の学生でもなければ教員養成系学部・学科の学生でもありません。普通の(とはいっても小さいですが)大学に通っています。うちの大学では、卒業単位とは別に設定された、教職に関する単位を取って卒業すれば、国語・英語・理科の中学校・高校の一種免許が取れることになっています。あやなかは理系の学生なので、ちょっと無理をすれば(ここ大事)理科の教員免許状を取得できます。
教員免許をとろうとしている学生のことを教職課程在籍者と呼んでいるようです。教職課程というところに申し込んだわけではないので、変な感じです(前述のとおり、単位を取ればいいのです)。なので、タイトル「なぜ教職課程に進んだか?」は正しくないのですが、わかりやすくするためにこうしています。
では、なぜ私が教職を取ろうと思ったかというと、免許を持ってて教員とし働けばとりあえず生きていけると思ったからです。我ながら理由がクズですね~(笑)。以前どこかで書いたとおり、私はもともと研究職につきたくて大学に来ました。研究職は、職にありつけるかは本当に運みたいな世界で、かつあやなかは生物専攻なので、大学卒業しても大卒資格しか手元に残りません。大学(や大学院)を卒業して、職にありつけなかったら…と思うと、手に資格があった方が絶対いい、そう思って教員免許を取ろうと思いました。
ちなみに教員は、通年教員採用をしている私立学校があり、免許があって働く気があるならいつでも働けるそうです。

なぜこの話を最初に持ってきたかというと、私が実習期間中に生徒から受けた質問の中で、これがいちばん答えに困った質問だったからです(笑)(笑えない)。

何を教えたか?

生物専攻ですが、高校時代は化学が得意だったので教育実習は化学(化学基礎)でさせていただきました。高校1年生、普通科の2クラスを担当させてもらいました。授業は5回(たぶん)させていただき、4回目が査定授業でした。

授業で何を感じたか?

授業をしてみて感じたことはいろいろあったが、
・同じ学校の同じ学年であってもクラスにより雰囲気(空気感?)が全然違う
・最前列の生徒より一番後ろの生徒の方がよく(教卓から)見える
・生徒が黒板を写すのに思ったより時間がかかる
・査定授業でも寝る生徒はいる
・分子模型は楽しくやってた
・ゆっくりはっきり大きな声で50分話すことの難しさ
こんな感じですかね。

実習期間中、楽しいと思ったことは?

あまり生徒のことではなくて申し訳ないのですが、最も楽しかったのは控室で実習生とたくさん話したこと。あやなかは普段あまり男子大学生とお話しする機会がないのでかなり新鮮でしたし、また自分の大学にはあまりいないような「大学卒業後は教員になります」という人と教育トークができて楽しかったです。
生徒とは、授業より掃除時間部活で、学校ではなかなか聞けない本音を聞かせてくれたのでとても面白かったです。

実習期間中、辛いと感じたことは?

①学習プリント作成。なかなか終わらないし、生徒に配ってしまえば変更がきかないのでそのプレッシャーもあってかなり大変でした。
②指導教員からの辛辣なコメント。これは実習日誌の話。でも3週間で3回くらいだったと思います、もう二度と読みたくないようなコメントをされたのは。
③「実習が終われば大学に帰らないといけない」と感じたこと。教育実習は辛いものだろうと思っていました。ところが蓋を開けてみると、なんと研究室より楽しいではありませんか!(実習が楽になるように、裏で先生方がたくさん工夫して配慮して下さったんだと思います、本当にありがとうございます。)査定授業には大学の先生が来てくださいましたが、そのときにはあぁ…帰りたくないよぅ…と思っていました。
実習翌日から研究室の奴隷になっているので、教育実習に戻りたいと思うことがよくあります。

実習前にやっておけばよかったと思うことは?

これは今後教育実習に行く方向けに書いているのですが、やはりスーツ学校内で履く上履きの準備は意外と忘れがちです。また手が汚れるのでハンカチは2枚くらい持って行くといいと思います。それから、実習中にジャージが必要になったので、現在一人暮らし中で帰省して実習を受けられる方は、ジャージと外靴を持って帰省してくることをおすすめします。
それと、可能であれば指導案を書いておいた方がいいと思います。私は激ゆる実習校だったので査定授業以外の授業では指導案は不要でしたが、普通の学校は求められると思います。
授業準備に関してもう一つ言うと、生徒たちの既習事項を把握することは大事だと思います。例えば、「化学結合」と言われて生徒は何を思い浮かべるでしょうか。実際の高校化学基礎では、イオン結合→共有結合→金属結合の順に学習します。なので、仮に私が共有結合の単元から任された場合は、生徒たちはイオン結合のことは頭にあるわけです。
しかし、実習校の生徒たちは、化学基礎と同時に生物基礎も履修しており、生物基礎では水素結合、ペプチド結合を、化学分野のイオン結合より先に学習しているようです。したがって実習校の生徒の頭の中にある化学結合とは、水素結合、ペプチド結合、イオン結合であり、これから共有結合を習うことになっています。このように他科目・教科に目を通しておくと、授業のポイントがまた変わってきますし、生徒が質問してくるだろうこともわかりますし、なにより教科・科目の領域を越えた学びは学習意欲を上げることができると思うのです。

実習に行って変わったことは?

就職も決まり、教員にならないと決めた私が教育実習に行くことに、何の意味があるのかと聞かれるだろうと思ってこの項目を作りました(実際、実習前に指導教員から『就職決まってるんだったら教員免許要らないんじゃ?』と聞かれました)。教育実習が私に何をもたらしたかと言うと理科教育にもっと興味が湧いたということです。上手く言葉にできませんが、今までは『先生の免許取りたいな、生物専攻だし理科か』のような気持ちでいましたが、実習を終えて『理科の』先生になりたい(なりたくはないけど)と思うようになりました。理科という教科に惹かれてきました。
なので、勉強のために理科教育学会に行こうと決めました(もう大学の理科教育に関する科目は終わってしまいました)。今は照明デザインの次に教育に興味があります(笑)。
残り少ない学生生活、いっぱい学んで後悔なく卒業したいと強く思います。

教員になる!とは言わないけれど、とても有意義な教育実習でした!

おまけ:教員の労働実態について

高校教員の週平均労働時間は52.5時間であるとの調査結果があります(日本労働組合連合会, 2018)。これは平日5日分の合計であるので、1日あたりに平均すると10.5時間の労働時間ということになります。
ここから、私が見た現状を書いておきます。
実習校の授業は7時半から始まりますが、めちゃくちゃ早く(例えば7時前とか)に出勤している先生はあまりいませんでした。7時15分(つまり授業開始15分前)出勤が最頻値のようでした。また退勤時間は、所属学年から影響を受けるようですが(あやなかの実習校は3年生だけ放課後にも18時まで課外授業があります)、17時半頃に退勤される先生もいて、また20時以降に残っている先生方はほとんどいませんでした。放課後の課外授業のない先生方は18時には概ね帰られていて、ある先生方でも19時には帰られていたように思いました。部活が19時半までなので、部活のある先生も20時には帰っていたようでした。
以上より、先生方は短くても10時間、長くて13時間ほど学校にいることになります。20時の職員室を見て、教員の働き方改革の波が来たのかと思いましたが、朝が早いので労働時間はかなり長いといえるでしょう(持ち帰り残業もたぶんされているでしょう)。
ただ、職員朝礼で「働き方改革について」「労働時間について」「タイムカード(ICカードでした)の打刻漏れについて」など何回も聞きましたので、確実に労働時間を短くする方向に進んでいるようでした。

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