法改正速報~2024年度行政書士試験関係法令(戸籍法)


1 戸籍法の改正

令和6年3月1日から、戸籍法の一部を改正する法律(令和元年法律第17号)が施行されます。

<法務省HP>

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji04_00082.html

改正の概要は次のとおりです。

〇各種社会保障手続(児童扶養手当認定手続等)で、戸籍謄抄本の添付が省略できる。
〇本籍地以外の市区町村において、戸籍の届出における戸籍謄抄本の添付が省略できる。
〇自らや父母等について、本籍地の市区町村以外の市区町村の窓口でも、戸籍謄本の請求ができる。
〇任意後見契約の受任者が任意後見の開始前であっても死亡の届出をすることができる。

行政書士試験にも影響がありそうです。
是非上記リンクにて詳細をご確認ください。

2 地方公共団体の手数料の標準に関する政令の改正

個人的に気になるのが、戸籍法の改正に合わせて「地方公共団体の手数料の標準に関する政令」も改正されているところです。

<総務省HP>
令和5年12月6日 令和5年政令第347号(表7段目)

政令の改正内容は、電子情報処理組織の使用に関する条項の追加です。

<参考・旧新対照>

これ自体が問われるということは考えにくいかと思います。
しかし、手数料については地方自治法で出題実績がありますので、
・12条〔条例の制定改廃請求権及び事務の監査請求権〕、
・74条〔条例の制定又は改廃の請求とその処置〕、
・96条〔議決事件〕、
・149条〔担任事務〕、
・227条~231条の3(手数料周辺)、
・252条の11(共同設置する機関の補助職員等)、
・291条の6(直接請求)
は押さえておいた方が良いと思います。

設問付条文は以下でも確認できます。もしよろしければご購入をご検討ください(購入者特典付き)

3 相続登記の義務化

以下は筆者の思いつき程度にお考えください。

戸籍法の改正に関連して、不動産登記法上の申請手続への影響が予想されているようです。

そんなわけで、前2つよりも優先度はかなり下がるかと思われますが、相続登記の義務化(令和6年4月1日施行)についても概要を押さえておくと良いかと思います。

(不動産登記法は行政書士試験の範囲外ですが、共同申請義務についての知識を直接に問う肢が2020年度試験に出題されています。また、司法書士試験においては登記官の処分に関連して行審法や行訴法の出題実績が多数あるので無視するのは得策ではないかなと思います。)

<法務省HP>
不動産を相続した方へ ~相続登記・遺産分割を進めましょう~

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00435.html

相続登記の申請義務化に関するQ&A

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00565.html

4 その他法改正について

メイン科目の法改正はコチラにまとめております。

なお、地方自治法・民法・個人情報保護法等の改正については、各予備校が既存の教材に反映させているかと思いますので、最新の教材で設問を通じてご確認いただくのが効率的かと思います。

5 不在者財産管理制度等

2024年1月29日内閣府から、能登半島地震により損壊した所有者不明家屋の解体について、各都道府県等へ通知が発出されました。

所有者不明建物等の除却に関する民法の規定は大きく以下の4つがあります。
・25条周辺(不在者財産管理)
・264条の2周辺(所有者不明建物管理命令)
・264条の9周辺(管理不全建物管理命令)
・952条周辺(相続財産清算人)
これらはいずれも令和3年以降に大きな改正がありましたので、過去の改正の中では割と優先度が高いのではないかと思います。

作問者だったら受験生にどのようなことに関心を持っていてほしいだろうか…と思索をめぐらすのは案外大事かと思います。

無味乾燥になりがちな受験勉強が、興味を持てるようになって純粋に楽しいと思えるようになったり、記憶の定着につながったりもします。

ただ、法改正に関しては、他の受験生がやってそうなことを最低限押さえるに留めて、あまり深追いしたり、心理的に振り回されないことも大切かと思います。

以上、参考になれば幸いです🐈‍⬛✨

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