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最近のビーバーにときめかない

SUPER BEAVERのアリーナツアーに行ってきた。

約3年前、ツアーファイナルである横浜アリーナのチケットを早々に取って待ち望んでいた私にとって、横アリからツアーが始まるこのツアーはリベンジだった。
学生最後!東名阪!全通!くらいのつもりだったけれど、卒業旅行だとかいかにも学生らしいお金の関係によって、横浜、大阪、有明に出費を抑え、計5日間をSUPER BEAVERと過ごした。

勿論、全公演セットリストも演出も素晴らしかった。何回でも見たいと思うようなライブだったし、名古屋公演を飛ばしたことを本当に悔やむくらいだった。特に初日に大好きな東京流星群で1曲目が始まった瞬間は、泣きながら崩れ落ちた。

でも、ツアーを過ごすなかで「私はもうSUPER BEAVERを聴けないんじゃないか」と思ってしまう事が何回もあった。

ここ最近ずっと抱えていた気持ちだけど、彼らの音楽を聴いていて疲れてしまうことが増えた。疲れると言っても、ダイブしまくって疲れるだとか歌が盛り上がりすぎて付いていけないとかじゃないんだよ。まだ22だし。でもなんだか精神的に、疲れてしまう。

例えば、最近のシングル2枚とか。

今をやめない やめない やめない
最低条件だって もうわかっているから
今をやめない やめない やめない
やめてしまえば叶わないから

突破口

ひたむきさが 希望を繋いでく
意味はずっと 意思そのもの
いつだって今日が人生のピーク 超えていけ

ひたむき

真っ直ぐで明るくて、何も諦めて来なかったSUPER BEAVERだからこそ歌える歌だと思う。正々堂々、正面突破してきた過去があるから、誰よりも響く。

でも、眩しくて見ることができない。
SUPER BEAVERはあまりにも真っ直ぐ過ぎる。
正々堂々と真っ直ぐ勝負されるから、彼ら程真っ直ぐ生きていない自分には眩しすぎるし、聴くことによって疲労してしまう。メジャー再デビューしたことが関係しているのか、コロナ禍を経たことが関係しているのか、そんな事は知る由もないけれど、最近の柳が書く歌詞に変化を感じるのは私だけなんでしょうか。こうやって自分が大好きなバンドなのに、その進化について行けないのはとても辛い。

私が好きなビーバーの歌をよくよく考えてみると「無情な世の中」とか「孤独な世界」とか、そういう死にたくなる世界の中でも、ギリギリ死なないくらいにどうか生きてくれよ、と生きる希望を与えてくれるような、そんな歌が多いような気がする。

たまには 全てが無駄に見え
全て要らないような気もして
出口のない日々の中で 何故出口を探してたの?

歓びの明日に

わかったつもりで知らなかった 社会 世間 現実の世界
見失いそうになった 自分自身がわからなくて
無い物ねだりばっか 繰り返してた

まわる、まわる

私が好きになったSUPER BEAVERは、きっとインディーズでもがき苦しむなかで"あなた"を大事にして一緒に苦しい世界を共有しながら助け合っているような人達だったんだと思う。

最近のビーバーだってもちろんカッコいい。
でもやっぱり、テレビに出て、「やめなかった僕ら」として歌を歌われるのは、託された命題として「生きろ」とヨヨイチで歌ってくれたビーバーとは違う気がしてしまうんです。

この違和感は、多分このnoteを柳に読んでもらってアンサーソングでも出してもらえなきゃどうやったって消えないと思う。でもアリーナツアーで、少しだけ感じていた違和感をちょっとだけ解せたMCがあったんだよ。
私にとってのファイナル、有明1日目で渋谷龍太は「夢も希望もなくたって良い」と言ってくれた。

夢や、やりたいことを持つっていうのは素晴らしいことだと思う。いや、でもここにいる人達全員が、夢を持っているわけじゃないだろ、わかってるよ。
みんな夢がない自分に焦ったりとか、やりたいことを必死に探したりしたんでしょ?
でも、そうじゃなくていい。
俺たちは、そんな夢もない人達を絶対に置いていかない。そういうバンドにだけはならない。

多分、こんな感じのことを言ってた気がする。
まさかとは思うけれど、夢追うことをやめない、ひたむきに希望を繋いでいく、ようなことばかり歌っていて、私みたいな人間が置いていかれてることに少し気づいていたんじゃないかと思ってしまった。夢や希望がない、ひたむきになれない人間、真っ直ぐに前を向いて生きていくことすら難しい人間でも、SUPER BEAVERは向き合ってくれる。ずっとずっと眩しかった彼等を、少しだけ真っ直ぐ見ることができた気がした。

とは言っても、やっぱり最近の曲よりもちょっと前の曲の方が好きですよ。勿論。でもこのアリーナツアーで、最近のSUPER BEAVERも少し前より好きになれたと思う。最近の曲ももうちょっと聴いてみようとも思った。またちょっと暗い曲でも作ってくれないかな、そうだと嬉しいけど。

Twitterをやっていて、「この人昔は別のバンドを命懸けで追いかけていたよな」「最近この人のツイート見ないと思ったら、全く別界隈に行ったんだ」とか、よくある話だ。もしかしたらこれからどんどんビーバーは変わってしまって、私が好きになれる歌なんて2度と出してくれないかもしれない、そうやってビーバーも私も変わっていく。

それでも、私は人生で何度も彼等に救われてきたし、その事実は変わらないから。色々考えてしまっても、どんなにSUPER BEAVERが有名になっても、やっぱり彼等は私の 生きる希望で ヒーローで ロックスターです。だから、これからもSUPER BEAVERを変わらず応援し続けるしライブもいくらでも行こうと思う。

以上、異常なまでの愛を込めて、アリーナツアーレポートでした。(レポートとは?)

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