逆算の経営〜ビジョン実現をめざす中小企業

あるべき姿から逆算して、いま達成すべき課題を設定し、かつ持続可能であること。そうした視…

逆算の経営〜ビジョン実現をめざす中小企業

あるべき姿から逆算して、いま達成すべき課題を設定し、かつ持続可能であること。そうした視点で、経営者の中にある「逆算」の現在地を中小企業診断士が紐解きます。(本稿は東京都中小企業診断士協会 城西支部「地域情報発信プロジェクト」として所属会員が取材・執筆したものです)

マガジン

最近の記事

アート作家支援で目指す、 多様な生き方選べる世界

#28 Createrminal代表 安藤直太郎さん 「アートの閉鎖的な業界を変える」という思いの下、カフェでの企画展示会開催などを行う団体、Createrminal。代表の安藤直太郎さんに、アート作家やファンをとりまく環境の問題点から、創造的なアイディアを生み出す秘訣、今後の展望までを伺いました。アート界の発展はもちろん、社会の多様性向上にも貢献する活動とは。 「現場」で繋げる アートと人 -Createrminalを創業したきっかけは。 安藤 「デザインフェスタ」

    • 南河原のスリッパを次世代へ ~小さな町、足元から魅力的に

      #27 南河原商工会 佐野 和美さん (南河原商工会 経営指導員) 長戸 美樹さん (中小企業診断士・ITコーディネータ/㈱プロッシモコンサルティング代表取締役)  (2024.2.3)  “伝統技術、地場産業を守り、次世代に伝えていこう!”~南河原商工会が中心となって2017年度から本格始動した「南河原スリッパプロジェクト」。斬新なデザインや高い品質で話題となり、2022年11月には商工会全国大会で中小企業庁長官表彰を受賞。さらには2023年11月に令和5年度「21世紀商

      • 二刀流の経営 〜出汁入り餃子で目指せ世界平和〜

        #26 株式会社有名餃子  代表取締役社長 平田 幹裕 さん 餃子の製造販売会社を経営する側ら、ものまね芸人としても活躍しているという社長の平田幹裕氏。お会いするなり「私はニセモノ(ものまね芸人なので)。餃子は本物。」と始まり、餃子へのこだわりと背後にある様々な出会いや体験を熱く語って下さいました。出汁好きの青年が挫折を味わいながら自分のやるべきことを見つけ現在の事業にたどり着くまでのお話は、ひとつのエンターテイメントショーのようにも感じられました。「餃子でみんなを笑顔にし

        • 看護の理念 経営に生きる

          #25 ケアプロ株式会社 代表取締役社長 看護師 川添高志さん  自ら採血する仕組みで医療界の常識を覆した「ワンコイン健診」。1項目500円、日常の生活動線に出向き「ついで時間」に検査を行うそのサービスは、自営業やフリーターなどの健診弱者を救い、現在の「セルフ健康チェック」に至ります。ケアプロはこのサービスで世に知られ、社長で看護師の川添高志さんも社会起業家として脚光を浴びました。受診者は47都道府県で延べ52万人に及びます。  しかも、同社のサービスはこの予防医療事業に留

        アート作家支援で目指す、 多様な生き方選べる世界

        マガジン

        • 逆算の経営〜ビジョン実現をめざす中小企業
          6本

        記事

          歌が、人と世代をつなぐ歌声喫茶ともしび

          #24 株式会社ともしび 代表取締役 齊藤 隆さん(2023.8.1) 歌声喫茶 ともしび は、歌を通じて人と人をつなぎ、歌を通じて世代をつなげる場です。経営理念 ~音楽や演劇の感動を通して「ともに生きあう」人間のあり方を伝える~ を体現する場でもあります。ピアノ奏者出身の齊藤社長は、自らを「歌声喫茶文化の継承者」と称します。演奏家であり経営者でもある齊藤社長に、ともしび の今と未来を語っていただきました。 歌声あふれる交流の場を提供 ――以前新宿にあったお店ともし

          歌が、人と世代をつなぐ歌声喫茶ともしび

          人、アート、街… カフェでつながる成長の連鎖

          #23 DIORAMA CAFE(株式会社FUNKY BUSINESS)店長 吉仲啓二さん 西池袋の路地で虹色のキッチンカーが存在感を放つ、パンケーキとコーヒーのお店DIORAMACAFE。元美容師である店長の吉仲さんは、「人とのつながり」を大切にすることで自らやスタッフ、お店の可能性を広げ、成長させてきました。 その成長の連鎖は、地域で学ぶ高校生、アート作家、池袋の街、飲食業界にまで及んでいきます。 ※DIORAMA CAFEは2023年11月に閉店しました。 他にな

          人、アート、街… カフェでつながる成長の連鎖

          目指すのは働くことに障がいがない社会

          #22 合同会社インクルーシブ 代表 小原 祐 さん  合同会社インクルーシブは、精神障がいがある方の雇用を、採用から職場定着までワンストップで支援するというビジネスモデルを事業の柱の一つとして展開しています。  現在、障がい者雇用については、民間企業の場合では従業員43.5人以上の事業所につき1人以上と、2.3%の法定雇用率が定められ、2024年4月に2.5%、2026年7月に2.7%と段階的に引き上げられる予定です。  障がいがある方が、希望や能力に応じて、誰もが就労を

          目指すのは働くことに障がいがない社会

          本と共に未来をつくる 〜飲食店×古本屋から、まちづくりまで〜

          #21 コクテイル書房 店主 狩野俊さん  川端康成、林芙美子、中原中也、名だたる文豪が住んだまち高円寺。駅から商店街を歩いて10分ほどのところにその店はある。大正時代に建てられた築100年の古民家を改装した趣のある店舗の引き戸を開けると、壁一面の本棚に整然と本が並び、目の前にはカウンターがあった。席についてみると、原稿用紙に手書きで書かれたメニューが渡される。そこには「文学カレー漱石」「太宰」「中原中也サワー」といった魅力的な文字が並んでいる。ここは古本屋でありながらご飯

          本と共に未来をつくる 〜飲食店×古本屋から、まちづくりまで〜

          「障害者がいない世界」を目指して

          #20 株式会社アメディア  代表取締役社長 望月 優さん  株式会社アメディアは、「情報とテクノロジーで障害者の自立支援!」を経営理念とし、1989年の創業以来、主として視覚障害者向け支援商品の開発・販売を続けられています。創業者で現在も社長として会社を率いておられる望月 優さんご自身が全盲であり、社員にも視覚障害等をお持ちの方がいらっしゃいます。  同じように障害を持つ顧客のニーズに寄り添った商品を世界中から集め、存在しないものは自社開発を行い、これまで多くの商品を世に

          「障害者がいない世界」を目指して

          逃げずに受け入れろよ『社長 神取忍』の素顔

          #19  株式会社 エルエルピーダブリューエックス 代表取締役 神取忍さん (2023.4.22)  『ミスター女子プロレス』———神取忍さんは、その伝説的な活躍ぶりから、選手、あるいはタレントとしての印象を強く持たれる方も多いかと思います。  その経歴は、柔道の道から、プロレスに飛び込み、ジャパン女子の「四天王」に。その後、プロレス界初のフリー宣言、新団体LLPWを立ち上げ、その後はなんと、参議院議員、現在LLPW-Xの社長。一見、軽々と領域を飛び越えて転身し、凡人に

          逃げずに受け入れろよ『社長 神取忍』の素顔

          寿司は握らず「心」を握る付加価値経営

          #18 株式会社エムアンドケイ・株式会社いちもん 取締役 木下 隆介 さん  金沢を拠点に、高級路線のグルメ系回転寿司店「金沢まいもん寿司」を関東や関西など各地で展開する株式会社エムアンドケイ。そのグループ会社で、同じく高級回転寿司店を群馬県内で展開する株式会社いちもん。  安さを売りにする大手回転寿司チェーンに対し、北陸の希少な寿司ネタをはじめ器や内装にも拘り、付加価値の高さによる差別化を追求されています。テレビなどメディアで取り上げられることも増えている注目の企業です。

          寿司は握らず「心」を握る付加価値経営

          没頭できる読書空間 本好きを支えるデジタル活用

          #17 本で旅する Via  店主 伊藤 雅崇 さん 荻窪駅近くの一軒家のお店「本で旅する Via」はひと言で何屋さんと表しにくいユニークなお店です。敢えて表すなら「読書するための居場所」。読書することにこだわった、おしゃべり禁止の静かな店内、座り心地のよいチェアと読書灯、旅をテーマにした千冊以上の本。美味しい飲み物やフード。洞窟のようなその場所は日常を忘れて読書に没頭できる贅沢な空間になっています。他方、そのようなこだわりのサービスを提供する店舗のオペレーションは、意外に

          没頭できる読書空間 本好きを支えるデジタル活用

          「全てのお客様の理想をカタチに」強い思い

          #16 株式会社そら  代表取締役 内藤千裕さん   2004年に大手印刷会社のデザイン・企画・印刷の外注としてスタートし、現在は高級パッケージ(貼り箱)の製造・販売を中心に事業を展開する株式会社そら。代表の内藤千裕さんは、広告代理店から転職後、15年ほどのキャリアを経て、2020年に代表取締役に就任しました。  以前は大手印刷会社からのイベント関連の仕事を多く手掛けていましたが、コロナ禍でイベントが急減したことから、時流を見極めて通販用高級パッケージ事業に集中。デジタル

          「全てのお客様の理想をカタチに」強い思い

          日本茶文化を次世代に継承するために

          #15 株式会社東京繁田園茶舗  代表取締役 繁田穣さん  株式会社東京繁田園茶舗は、創業75年の歴史を持つ日本茶専門店です。明治維新直後の1875年に日本初の茶の直輸出会社として設立された「狭山製茶会社」をルーツに、狭山本家「繁田園」の東京支店として1947年に設立されました。  大手百貨店の社員だった繁田穰代表取締役は、2021年7月に、両親が経営するこの歴史ある日本茶専門店を事業承継されました。  メインの商材である日本茶に目を向けると、日本文化の中で独自の文化を形成

          日本茶文化を次世代に継承するために

          注目される産後ケア  人生も社会もうまくいく 

          #14 しらさぎふれあい助産院  院長 木村恵子さん 院長の木村さんの経歴には誰もが驚きます。短大卒業後は会社員として働き、第二子、第三子を助産院で出産した後、助産師を志しました。41歳で看護大学入学、45歳で看護師・保健師・助産師となり各地で経験を積んだのち、2015年にしらさぎふれあい助産院を開業。現在は、産後の母親の心身の回復をサポートする産後ケアサービスを中心に、自然なお産、育児相談などを行っています。 木村さんがそれまでのキャリアを180度転換し助産師を目指したの

          注目される産後ケア  人生も社会もうまくいく 

          子供たちが 「自分の人生」を見つける場

          子供たちが 「自分の人生」を見つける場 #13 NPO法人テラコヤ 代表 前田 和真さん (2022.11.30)  「お⾦は無いけれど、夢を叶える為に⼤学受験を頑張りたい!」 そんな高校生を応援するために大学受験のサポートを無償で提供する「カフェ塾テラコヤ」、体験型学習の場「テラコヤカフェ」を運営するNPO法人テラコヤ。ホームページには、フィロソフィーやパーパスが明確に掲げられており、子育て中の親の立場としてはその理念に頭が下がるばかりです。 2021年4月に活動を開

          子供たちが 「自分の人生」を見つける場