【MTG】パウパーバーンのすゝめ

Magic : the Gathering(以下マジック)のパウパーにおける『バーン』というデッキについての記事です。

先日初めて参加した紙パウパーの大会をバーンで3ー0したので普段考えていることを書いておこうと思う。大会やゲームの内容についてはこちらへ。
今回は、バーンの概要や簡単なキープ基準や理想的な初手、火力の優先順位などについて書いていく。サイド戦略についてはまだまだ理解できていないのでここでは触れない。


■バーンとは

本題に入る前にそもそもパウパー、ひいてはMTGにおけるバーンデッキの概要を確認したい。
バーンデッキはその名の通り、『Burn』、つまり対戦相手を燃やすデッキのことで、ほとんどの場合でクリーチャーよりもプレイヤーへの直接攻撃(火力)による勝利を目指している。
その為、火力のみで構成されたデッキのことを特にフルバーンと呼んだりもする。

MTGでの基本的な戦略ではクリーチャーによる攻撃で対戦相手のライフを0にし勝利することを想定しているため、他のデッキとは根本的な思想が違うと言える。


■キープ基準

さて、そんなバーンのキープ基準だが、まずは他のデッキがメイン戦でどういうキープをするのかを考えてみよう。
例えば青黒コントロールでは、
「3枚程度の土地に除去や打ち消しハンデスなどの妨害手段にドローやアドバンテージを狙えるもの」があれば十分にキープに値するだろう。
あるいはトロンでは「土地と延命手段やドローと土地サーチ」を見てトロン成立を目指せるキープをするだろう。

ではバーンは。

「2枚程度の土地とテキストに書かれた点数の合計が12点以上(に計算できる)かつ1マナで使えるカードが3枚以上」ならまずキープする。
バーンのメイン戦は、対戦相手に干渉することをほとんど考えない。いかに素早く対戦相手のライフを削り切れるのか、この一点を重視する。そういう点でオールインのコンボデッキに近いと言えるだろう。

また、バーンは軽いカードが多いが、実は4ターンで3枚目の土地が置けるぐらいが動きやすいので1ランドキープはほとんどの場合でオススメしない。
これは個人的な経験則なのでまだうまく言語化できていないが、筆者の場合は火力とクリーチャーで2ターン目に8点、4ターン目で15点を狙えるかどうかをキープ基準にしている。


■火力の手順

バーンはダメージの点数を重視するが、同じ「3点のダメージを与えるカード」でも使用順序には明確なセオリーが存在する。
バーンの一般的な1マナで使える3点火力は、
《稲妻/Lightning Bolt》
《稲妻の連鎖/Chain Lightning》
《裂け目の稲妻/Rift Bolt》
《批判家刺殺/Skewer the Critics》
《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》
の5種類で、仮にこの5枚と《山》2枚の初手を先攻でスタートしたとする。そうすると、使用する火力の順番は、

《裂け目の稲妻》→《溶岩の撃ち込み》→《批判家刺殺》→《稲妻の連鎖》→《稲妻》となる。
初手でなくともこの優先順位はほとんど変わらない。3マナまで伸びている状況なら《稲妻の連鎖》を残して《裂け目の稲妻》や《批判家刺殺》から使うことはある。

バーンは土地を切り詰めることが多く、マナが十分には伸びにくい。そのため1マナで取れるアクションを効率よく実行していきたい。1ターン目に《裂け目の稲妻》を待機するのは、次のドローが《ギトゥの溶岩走り》や《批判家刺殺》、《針落とし》などのときにそれぞれの条件を満たしやすく、そのアクションのためのマナ使用に無駄が無いためである。

また、当然ながら火力はクリーチャー→ソーサリー→インスタントの順で使用する。たとえば、2ターン目に《熱錬金術師》が出せるならこちらを優先で出す。

それから、これは非常に重要なことだが、バーンにとって2マナのカードは重い。特に《焼尽の猛火》はつかいどころも難しく「都合よく打ちたいタイミング」を逃したときは1点火力として割り切ってしまってもいい。
《ギトゥの溶岩走り》の攻撃を通したいときに上陸で打てたりするのが一番都合がいい。それが3マナ目の土地なら《批判家刺殺》との合わせ技で実質1枚でタフネス6まで除去できてますます都合がいい。


■ターンエンドに打つ《稲妻》は弱い

バーンの火力の使用順に優劣があるいうことに触れたが、それの基準で行けばインスタントである《稲妻》は強いということになる。そして実際に《稲妻》は強い。
しかし、バーンデッキを握ってみるとなぜか《稲妻》が弱い。
『赤1マナで任意の対象に3点のダメージを与える』インスタントである。どこから見ても強い。しかしなぜか。

実は《稲妻》を打つときは「他の火力(選択肢)が無いとき」が多い。つまり、除去として打たされていたり、ソーサリー火力を引けてないような不本意な場面になりがちで、特に後者の場合は対戦相手にも「手札が弱いこと」が伝わりやすい。

そうなると不思議なものであえて打たない《稲妻》のほうが強いときがある。やはりインスタントである《稲妻》は対戦相手にも「ある」と思わせ続けている状態のほうが強かったりする。(しかしブラフにも限度がある)

バーンにとっての《稲妻》は単なる本体火力ではなく、唯一のユーティリティカードとして大事に使わなければならない。その結果として、弱い使い方になる場面がある。


■《裂け目の稲妻》と《批判家刺殺》は3マナで打てる

どちらも1マナのアクションとして使用可能なのでときどきうっかりするが、これらは3マナでの通常キャストができる。
実は手札が弱いときはあえて複数回行動をせずに3マナキャストをしてターンとマナの空白を埋めることが重要になる。
バーンは早期決着を狙えるデッキだが、その為には積極的に対戦相手のライフを削る必要があるため、マナ効率を考えるなら1マナでキャストしたいところだが、そのターンのうちに決着できないのなら無理せずに次のターン以降のアクションの効率を目指せる判断をしたいカードである。


■《火炎破》が強い

強い。他に言うことはない。
ゲームを最も多く決めていると言っても過言ではない。
手札2枚とライブラリートップで10点だ。


■あとがき

バーンの戦略・戦術の思想はフォーマットを問わず共通している。
パウパーのバーンはその中でもより純粋に火力を追求したデッキを構築できると思う。
バーンは「効率のよいダメージ源」と「効率のよいマナ使用」の取捨選択が求められるため、初めのうちはうまくいかないかも知れないが、一人回しを繰り返すだけでもそれらのピースがパズルのようにはまっていくのでメインボードの練習はしやすい。

今回は触れてないがバーンには弱点も多い。しかし、明確なコンセプトを持ったデッキとして筆者は愛用している。

バーンデッキは比較的安価に構築が可能なこともメリットなので参入用やサブデッキとして用意しやすいと思う。これを読んでくれた方にはバーンやパウパー、ひいてはMTGに興味を持ってもらえたら嬉しい。

それでは閲覧ありがとうございました。
よいバーンライフを٩( 'ω' )و


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?