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ATP1000テニス モンテカルロ大会の決勝  ルブレフ 対 ルーネ

モンテカルロ大会の準決勝では、ルブレフ対フリッツは、ルブレフが、5−7、6−1、6−3でフリッツを破った。また、もうひとつの準決勝は、シナー対ルーネでは、ルーネが6−1、7ー5、7−5でシナーを退けた。決勝の組み合わせは、ルブレフ対ルーネとなった。この組み合わせもあまり見ないが、どちらも成長真っ只中という感じで興味深い。

アンドレイ・ルブレフは、ロシア出身で25歳、188cm、ATPのランキングは6位、この大会では第5シード。今季は17勝8敗。フォアもバックもグランドストロークは、トップスピン系で重くて速く、安定している。フットワークが良く、ディフェンスは優れている。特に、フォアハンドストロークとサーブが重く、速く、素晴らしい武器である。最近は、バックハンドストロークが安定し、弱点は少ない。精神的にも安定している。

ホルガ・ルーネは、デンマーク出身で19歳、188cm、ATPのランキングは9位、この大会では第6シードで、今季は17勝7敗。フォアもバックもグランドストロークはスピンループ系で速くはなく、ベースラインぎりぎりに返すボールが多い。ただし、速いトップスピンボールが打てないわけではない。相手によって使い分ける。サーブが特に強く、速く、大きな武器になっている。フットワークは良い。感じはフリッツに似ていて、もっと鋭い感じがする。強打だけでなく、ロブもボレーもドロップショットも上手い。素晴らしいオールラウンダー。アルカラス、シナーと並んで驚異的な若手選手のひとりだろう。アルカラスが終始、力いっぱいなのに対して、若いくせに力が抜けているのが凄い。

両者の対戦成績は、1−1で、クレーでは初対戦となる。

第1セットの第1ゲームは、ルーネのサーブではじまる。40−30までいくがキープ。第2ゲームはルブレフのサーブでジュースまでいったが、キープした。ルーネのサーブで第3ゲームとなる。ルーネのフォアハンドのストレートがロングになる場合が多く、ジュースまで持ちこまれるが、何とかキープ。

第4ゲームはルブレフのサーブだったが、ルーネのミスが多く、キープした。第5ゲームはルーネの2−2でサーブだったが、1stサーブが良くキープした。第6ゲームは、ルブレフのサーブで、ルーネのドロップショットが効き、一方でルブレフのドロップショットのミスが多く、ブレークされた。第7ゲームは、ルーネの4−2でサーブ。ルーネのフォアハンドのネットミスが多く、0−40となる。何とかジュースまでいったが、フォアハンドのストレートがロングでブレークされる。

第8ゲームは、ルブレフのサーブで、キープ。第9ゲームは、ルーネの4−4のサーブで、キープした。第10ゲームは、ルブレフのサーブで、キープ。第11ゲームは、ルーネの5−5でサーブとなり、キープ。第12ゲームは、ルブレフの5−6のサーブ。ルーネは、ルブレフの足もとやバックに速いリターンを返し、ミスを誘う。ルブレフのバックハンドショットが長くなりブレークを許す。結局、第1セットは、ルーネが7−5でとった。第1セットを見る限りは、ルーネの方が有利に見えた。

第2セットの第1ゲームは、ルーネのサーブで始まったが、ドロップショットのミスがひびき、ジュースとなりブレークされる。第2ゲームは、ルブレフのサーブで、40−0でキープした。第3ゲームは、ルーネのサーブ。ルーネは、ジュースまで持ち込まれたが、何とかキープ。第4ゲームは、ルブレフの2−1でサーブだった。ここでは、ルブレフのミスが多く、ブレークとなった。第5ゲームは、ルーネの2−2でサーブ。ルーネのミスが多く、ブレークされる。

第6ゲームは、ルブレフの3−2でサーブ。ルブレフは、1stサーブが良くキープ。第7ゲームは、ルーネの2−4でサーブ。ここで0−40となり、再びブレークされる。第8ゲームは、ルブレフの5−2でサーブ。ルブレフのキープ。第2セットは、ルブレフの6−2で終わる。

第3セットの第1ゲームは、ルーネのサーブで始まった。ジュースまでいくが、かろうじてキープする。第2ゲームは、ルブレフのサーブで、すごい打ち合いになる。ジュースまでいくが、随所でルーネのライジングボールが出て、打ち合いでルブレフが負けるところが出てくる。このゲームは5分以上続いて、最後にルーネのライジングボールが決まりブレークとなった。第3ゲームは、ルーネのサーブでキープした。第4ゲームは、ルブレフの0−3でサーブだった。ルブレフは、楽にキープした。

第5ゲームは、ルーネの3−1でサーブ。このゲームでも激しい打ち合いが続いた。スーパーショットの連続となる。このゲームだけで8分以上かかっている。ルーネは、肩で息をしていたが最後は1stサーブの連続で逃げ切った。ルーネの4−1でこの時点で私はルーネの勝利を確信したのだが、ブレークタイムにルーネは医者を呼び、薬を飲んでいた。痛み止めか何かわからない。

第6ゲームは、ルブレフの1−4でサーブ。ルブレフは、1stサーブが良くジュースまでいくが、キープ。ルーネのショットのロングアウトが多くなる。第7ゲームは、ルーネの4−2でサーブ。ここで15−40となり、ブレークされる。第8ゲームは、ルブレフの3−4でサーブ。ルブレフのキープ。

第9ゲームは、ルーネの4−4のサーブで、キープした。第10ゲームは、ルブレフのサーブで、キープ。第11ゲームは、ルーネの5−5でサーブとなり、簡単にブレークされる。第12ゲームは、ルブレフの6−5のサーブ。ルーネのショットがネットするか、長くなるかで、ルブレフのキープを許す。第3セットは、ルブレフの7−5で終わる。

結局、ルブレフは、5−7、6−2、7−5で、ルーネを破った。この試合は第3セットの5ゲームまではとても面白く、すごい試合だった。ルーネは薬を飲んだ後は、ストロークが安定せず、一方的になってしまった。多分、左太ももを痛めたのだろう、残念だ。でも無理をしないのは賢い。

一方、ルブレフは、随分良くなった。ストロークの安定性、最後まで諦めない姿勢、フットワークの良さ、変化の対応性など素晴らしい。さらなる精進を続けて、素晴らしいテニスを見せて欲しい。

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