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【読書】 西谷 格の 香港少年燃ゆ を読む

香港少年燃ゆ
西谷 格
2022年12月9日発行

なかなか楽しめるルポ
コロナ前の2019年にニュースになっていた香港の民主化デモを取材している
2012年まで取材は続く
当時15才だった男の子が17才になった

香港で育ったこの男の子とはデモ隊の武闘派のひとりとしてだった
ヘルメットにマスクだから歳も分からず写真を撮ったりしていたら、なんと15才だった

この男の子に密着して、香港の民主化運動と中国政府のやり方を取材している



香港はイギリスから返還された中国の領土だが、民主主義と自由と経済的な繁栄が残されていた地域だ
かつては、中国のGDPの20%を占めていたのが、返還されてから本土の影響下で3%までに落ち込んだそうだ
本土からの移住者もいれば、香港で育った者もいる
香港人は中国人に反感を持っている
あなたは中国人ですか?という質問が、香港では特殊な意味を持っているそうだ
香港デモは、2020年1月に日本でもニュースになった後、コロナ騒動が始まり、武漢のロックダウンがあったように、香港でも集会の禁止が命じられデモを鎮圧する中央政府の圧力に拍車がかかった
この香港少年も大学校内に立て込もっている時に逮捕されたようだった
牢屋で1年半過ごした後、再び連絡が付き、著者は香港へ飛んだ
ワクチンの接種証明、PCR検査、2週間の隔離が必要だった
物価も高騰していた

拒否されながらも少年の家族とも会話を重ねていた著者だが、中卒のこの香港少年がどう考えて生活しているのかに焦点を当てている
将来への明るい展望などない
デモでの破壊行為は、香港の店主達からは怒りを買った
そして選挙に立候補できるのは中央政府寄りの者だけになる

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