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読書 輝石の空

紹介文

古代絶滅文明が遺した巨大な力を用い、数百年ごとに文明を滅ぼしてきた〈第五の季節〉を永久に終わらせ世界を救おうとする母。同じ力を用いて、憎しみに満ちた世界を破壊しようとする娘。地球の裏側にある古代文明の遺跡都市をめざし、二人の最後の闘いがはじまる。前人未踏、3年連続ヒューゴー賞長編部門受賞の三部作完結編! ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞受賞作。解説=池澤春菜

東京創元社

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感想

「第五の季節」の完結編となる三部作の三作目です。

最初にここまで読んできて良かったというのが正直な感想です。読みおえた時の満足感は、かなり高いものがありました。
それは、逆にいえば、読むのにとても努力がいる三部作だったという事になります。

前巻よりも読みにくくなっています。原因としては、一巻目同様に、三人の視点で物語が語られていることだと思います。また、それらは、時系列的に全く連動していない為、場面の切り替わりに、リセットのようなものを行わなければならなかったからだと思います。

けれども、その三人の視点から語られる物語は、後半に向けて、前二巻で張り巡らされた伏線の回収をおこなっていきます。

クライマックスを読んで、作者の後書きにある、これは、母と娘の物語だという事に、納得し、男の影の薄い物語ではあると腑に落ちました。

世界がよりよいところになること。

このキーワードが、最後にある物語は、世界が酷い有様であり、それは、碌でも無いのだが、碌でもないのが人間と世界なのだということを語る内容になることに納得してしまいました.

だから?そう思い行動するということなのだろうなと。

ファンタジーに限りなく近いと思いますが、ハードSFの小説にある、哲学的な問いかけをしっかり伝えてくれると思います。

ラストシーンのその先に、どんな事が待っているのか、それはきっと、ましな世界への歩みなんだろうと期待はさせる終わり方だとおもいました。




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