【40】『奇跡の洗濯バサミ』(5)~ICUに運ばれて
(前回の続き)
https://note.com/guttyo_id/n/nfbc507da8e4f
搬送途中、救命士さんによる心臓マッサージのおかげで、一度だけ目を覚ましました。
救急車のサイレンの音で病院に向かっていることを思い出しました。
強い力で胸を押されながら、横から「頑張って」と妻の声が聞こえ、救命士さんに「もう大丈夫です」と伝えようとしたが声が出ませんでした。
私は再び意識をなくし、心臓マッサージやAEDによる救命措置が続けられました。
救急車が病院に到着すると、救命士の3人は、急いで私を乗せた担架を車から下ろし、病院の中へと入って行きました。
22時半頃、辺りが静まり返っている中、妻は救急搬入口の前で、救命士に言われたとおり待っていました。
「夫は無事でいてくれるのか」
「医師から何て言われるのだろうか」と妻は考えながら、ただベンチに座って、医師か看護士から声が掛かるのを待っていました。
(続く)
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