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心臓疾患の日常

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心臓疾患の自分が日常している節約や減塩生活、家族との繋がりについて、記事にしていきます。 心臓疾患にとって、再発の恐れ、休職の備え、何歳まで働くことができるのかなど、お金への対策…
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#救命士

【40】『奇跡の洗濯バサミ』(5)~ICUに運ばれて

(前回の続き) https://note.com/guttyo_id/n/nfbc507da8e4f 搬送途中、救命士さんによる心臓マッサージのおかげで、一度だけ目を覚ましました。 救急車のサイレンの音で病院に向かっていることを思い出しました。 強い力で胸を押されながら、横から「頑張って」と妻の声が聞こえ、救命士さんに「もう大丈夫です」と伝えようとしたが声が出ませんでした。 私は再び意識をなくし、心臓マッサージやAEDによる救命措置が続けられました。 救急車が病院に到

【30】『奇跡の洗濯バサミ』(4)~救急車の中で

(前回の続き) https://note.com/guttyo_id/n/n1546cff9cfed 妻が救急車に乗った時、夫の口にはすでに酸素マスクが装着されていた。 夫は意識がなく、1回目のAEDにより心臓に電気ショックを与えられていた。 心臓病の場合、行き先は最寄りの大学病院と決まっているようで、家から車で20分位の距離にあった。 救急車には救命士が3人乗っていて、運転手、記録係、緊急処置を行う者と役割が分担されており、緊急処置では主に心臓マッサージとAEDが行わ

【24】『奇跡の洗濯バサミ』(3)~救急搬送されるまで

(前回の続き) https://note.com/guttyo_id/n/nb2223b583851 玄関扉の曇りガラスから、救急車の赤くクルクル回る光りが見えた。 すぐに車のドアがガチャンと開く音がして、救命士が家の中に入ってきた。 サイレンの音が止まり、エンジン音だけが静まり返った住宅街の中で聞こえていた。 救命士と少し話した後、救急車に自力で歩いて行った。 車内の救命機器を見渡しながら、ベッドに座った直後に気分が悪くなり、置いてあったゴミ箱に吐いてしまった。 妻が

【22】『奇跡の洗濯バサミ』(2)~救急車が着くまで

(前回からの続き) https://note.com/guttyo_id/n/n7275e49da140 時刻は21時を過ぎた頃で、子ども達はまだお風呂に入っていた。 妻が119番に電話して救急車を呼んでくれた。 コロナ感染の第3波が収まった頃で、電話は意外にすぐ繋がった。 電話越しの救命士に、妻が症状を話してくれたが、より詳しい状況を知りたいとのことで私に代わった。 救命士が具体的に「どこで」「いつから」「どんな症状なのか」など、色々と質問をしてきた。 電話を切った