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【妻に捧げる読書note】私は私のままで生きることにした(by キム・スヒョン)

知り合いにお勧めされて読んだ。韓国は日本よりもさらに周りの目が厳しい社会なんだなぁ。

要点

  • アメリカの大学では、経済学の講義に、洗脳クラスというものがある。これまでの常識とされているものを、一度空っぽにするためのクラスだ。私たちも、社会で当たり前とされている考えを、自分なりの信念で上書きするために、洗脳クラスが必要だ。

  • 人生とは、B(Birth)とD(Death)の間のC(Choice)のこと。いつ、どんな選択をするかが私たちの人生を決定する。人生に完璧な答案はないけど、どのような答えを出すにしても、自分で責任を負えるなら、あなたの選択はすべて正しい。

  • 正常とは何だろう。人は何ひとつ欠けたところのない理想的な状態が正常だと錯覚する。ジークムント・フロイトは正常の基準を次のように定めた。少しのヒステリーと少しの偏執、少しの脅迫症があること。このように、正常とは完全無欠なものではなくて、少しの傷と、少しの欠点と、少しの不足を意味するはず。あなたがどんな家庭環境で育っても、あなたにどんな問題や欠点があっても、それがどんなものであっても、みんな正常。

  • すべての人に理解されようとしなくていい。二次方程式を理解できない人がいるなら、問題は二次方程式ではなくて、その人の理解力不足にあるのと同じで、あなたを理解できない人がいるなら、それもまた、あなたが問題なのではなく、相手の理解力の問題かもしれない。だから、そうした人たちを前にたじろぐ必要はないし、自分の正しさを証明しようと頑張る必要もない。あなたは、偏狭な人たちの理解を得るために生きているのではない。あなたの人生はあなたのものなのだから。

  • 誰とでも仲良くしようと、頑張らない。いい人のままでいるために、自分の負担や損害が大きくなるぐらいなら、気難しい人になったほうがよっぽどまし。犠牲を払ってでも守ってあげたいほど素敵な人なら、その人は、私の要求や断る理由を理解してくれるはず。私たちは他人の領域を侵してはいけないけど、自分の領域も守ったほうが良い。

  • 身軽に生きよう。人生という旅は長い。できるだけ身軽に生きないと、疲れてしまう。だから、人生をもっと軽くしたければ、不安のせいで捨てられなかったものたちと向き合って、それらを捨てる勇気を持とう。旅行中に一度も取り出さなかった荷物と、まだ起こってもいないことへの心配と、人生を重くする不必要な欲望と、恥じる必要のない恥と、疲れるだけの過剰な関係。こうしたものに対して「さよなら」を。それらを放棄すれば、自由になれる。

  • 人生にもっと多くの風景を。「機械のように毎日を送ってきた人は、80歳まで生きたとしても短命だ」という文章がある。毎日、似たようなパターンの生活をするのは、人生の無数の可能性と多様性を圧縮し、自分の人生を失うこと。だから、勇気を出して、これまで経験したことのないことをやってみよう。自分に対する固定観念を脱ぎ捨てて、自分にも予測できない自分になってみよう。私たちが長生きする方法は、手のひらの生命線を手首まで延ばすことではなく、新しい風景と出会うこと。

  • 生活に潤いを。感情を抑える必要のある労働と、非人間的な競争の中で感情が干からび、楽しみは退屈な日常を耐え抜いたご褒美であり、強烈な刺激になった。感情が干からびると、些細な楽しみを感じられなくなるので、しだいに刺激的な楽しみを求めるようになる。刺激的な楽しみが終わると、日常はさらにつまらなくなり、人生から活気が失われることになる。楽しみが何なのか、もう一度考え直して、できるだけ幼いうちから、お金をかけなくても楽しめる遊び方と生き方を身に着けよう。

  • 優先順位を考えよう。何を選択するにしても、限られた予算と限られた選択肢しかない。人生は大富豪がデパートでショッピングするのとは違って、自分の思い通りにはならない。だから、何かを選択するにあたって、「何を得るか」よりも大切なのは、「何を放棄するのか」にある。それぞれの選択の間で、何がより耐え難いのか、どこまで受け入れることができるのか、自分自身で回答を出す必要がある。

  • 過ぎ去った過去と決別する。過去にさかのぼって現在の問題を考えるのは、その連鎖を断ち切って前進するため。世の中には、未成熟で、あきれた人がいる。私たちは運悪くそんな人に出会ってしまったのかもしれない。過去にとらわれたくないなら、過去の幼い自分を慰め、未成熟だった者たちに別れを告げよう。

  • 何が人生を意味あるものにするのだろう?「私たちが自分自身を完成させるには、他者が必要だ」という言葉がある。社会と他者との関係の中で自分の価値を実感するとき、私たちは自分の存在感を見出すことができる。一生懸命に働き、愛する人たちとおしゃべりをして、一緒に美味しいものを食べ、好きな歌や本を楽しみ、天気が良い日には日光浴をすること。この日常の温かさが、良い人生のすべてだと思う。そして、可能なら、意味のある人生に向かって一歩踏み出そう。たとえこの宇宙の中でほこりのように小さな存在だとしても、私たちは人生のむなしさを乗り越え、自らの尊厳を守ることができるはず。世間が決めた勝ち負けとは無関係に、そんな人生に誇りを感じたいと思う。

響いた内容

韓国の発展を多方面から聞くたびに、すごいなぁと思っていた。しかし、日本よりも世間体を気にしていて、生きる苦しみに満ちている側面を知ることができた。イギリス人ジャーナリストの本に、「奇跡を起こした国 喜びを失った国」という韓国についてかかれたものがあるぐらいだという。そんな中で、日常の生きる喜びを取り戻すためのTipsが書かれたこの本が人気になるのは必然だろうなと感じた。

こんな人に読んでほしい

周りの目を気にしながら生きている人。


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