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恋愛黒歴史 〜第一章〜 初めての妻は、バンドの追っかけ1号ちゃん

〜はじめに〜
人生には「黒歴史」がいっぱい。
ボクはとくに恋愛面では、ほぼ黒歴史(笑えない)。
一般人の黒歴史なんておもしろくはないけど、なにかしらの教訓はあるとかないとか?
ためしに、筆を取ってみようかな〜♪
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〜第一章〜
初めての妻は、バンドの追っかけ1号ちゃん

「お疲れ様ぁ〜♪」
「今日、よかったよ!まさかあの曲をチョッパー(※1)で演奏するとは思わなかった(笑)」
バンドの追っかけ1号ちゃん(女性)が、演奏後に感想を言ってくれる。
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※1 チョッパー
E.Bassの弦を親指で叩くように弾く奏法。
時おり人差し指でオクターブ上の弦を引っ張って離し、パウン!というアクセントを加え、パーカッシブな音がする。

「ほんとだよ…。練習では普通に弾いてたのに、ビックリだわ(笑)」
ギター・ボーカル担当のリーダーが言う。

「それが… ライブの最中は意識がなくて…。何者かに乗っ取られて、勝手に演奏されちゃうんだよ…。」
ベースを担当する、ボク。
ボクはしばしば、演奏している間は誰かに憑依され、自分が弾いていない感になる。その間の記憶がない…

ボクらのバンドは基本的に、リーダーが作詞・作曲したオリジナル曲を、各パートが勝手にアレンジして演奏する。

常に、アドリブだ(笑)

曲調は、しいて言うなら、ブルース&ロックというところ。

100‰オリジナルでは飽きられるので、ときどきコピーも演りまして…
この日は、ローリング・ストーンズの Jumpin' Jack Flash というゴリゴリのロックンロール。
それを、ベースがチョッパーでパーカッシブに演奏しちゃうという… いわゆる「ノリ」間違い(笑)
つい、手クセが出てしまったのかも!?(笑)

追っかけちゃんは、練習にも着いてきてくれる。
練習後は、行きつけのバーで反省会と称してお酒を飲む♪

リーダーが追っかけちゃんを大好きなのは知っていた。
リーダーがよく、隣同士で語っていた。
「あれがダメ。ここがダメ。オレが演りたい音楽に届いてない」
…リーダーは、理想が高く、難し〜い音楽を演りたいんです。

「アタシは今のスタイル好きよ。既成概念がなくって♪偶然生まれるミラクル感(笑)?」
「色々バンドはあるけど、Rストーンズをチョッパーで演るバンドなんて、そうそうないよ?(笑)」
追っかけちゃんは、今がちょうどいいらしい。

リーダーは自分の音楽論を追っかけちゃんに熱く語り、追っかけちゃんはどこか堅苦しく煙たい感じを受けていたみたい…。

そしていつの間にか、ボクの隣でお酒を飲むことが増えていた。
ボクはあんまり、夢や我や大口を語らないので、気張らなくていいのかも?
てゆーか、人畜無害?(笑)

いつの間にか、リーダーを挟まずに、2人きりでお酒を飲んだり、食事するようになっていた。
ボク1人で、追っかけちゃんの家に遊びに行くようにもなっていた。

ボクは「2人きり」であることをあまり意識しておらず…
ファンへのサービスだと思っていた。

あるとき、帰り際に、「いつもありがとう♪」て抱きついて、キスをしてきた…😯
そして、「大好き♪」って…😯

このとき、ハッキリと「恋」に変化した音が聞こえた。
それが、大事な人が恋する相手、を奪ってしまうことには、気づかずに…

第二章へつづく



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