ウッドストックがやってくるを観賞したんだ。

音楽好きな人なら一度は聞いたことがあるでしょうこの名称。
「ウッドストック」
この映画は、ウッドストックにふとしたことから関わった男性の物語。
主人公のエリオットは、ユダヤ人でゲイ(実際はデブデブらしいけどそれは映画。ピート・タウンゼントを男前にしたような俳優さんがエリオットを演じてます)。他人を信じず、偏屈で銭ゲバな母親、そんな母親に何も言えず諦念を充満させている父親とともに、ベセルという小さな町で潰れかけのモーテルを営んでいる。
家を出たいけれど、モーテルは借金まみれ。モーテルを失えば両親が路頭に迷うという心配から家を出られない。
そんなある日、隣町でウッドストックが開催されるはずが、住民の反対を受け、白紙に、候補地を探しているという話を聞き、ベセルの商工会長をやっているエリオットはベセルにウッドストックを誘致することに。
最初は借金を返すために引き受けたものの、ふたを開けたらさあ大変。
住民たちから村八分にされたり、奔放なヒッピーたちにあたふたしたり、ヒッピーたちにすらがめつい母親に辟易したり、友人で会場となる牧場を営む友人のマックスが賃上げを交渉したり……。
それでも、どうにかこうにか開催。そんな中でエリオットは色々な人たちに出会う。 ボディガードを買って出た元軍人のゲイ、ビルマ。 戦争で心を病んだかつての幼なじみ、ビリー。 ウッドストック開催中に出会い、エリオットにLSDを振る舞う不思議な夫婦。
様々な人たちとの出会いはエリオットの自立へと背中を押します。
エリオットが自立を決意した雨の夜、ビルマの「粋な計らい」によりラリパッパになった両親と雨の中で輪になって踊るシーンはおかしくもあり、心温まるシーン。
そして、エリオットの自立を応援する父親の言葉が泣けてきます。
正直、音楽好きで、ウッドストックの再現が見られると思っていた方は肩透かしを食らう映画。
けれど、寄る辺のない境遇の一人の人間が自分を見つけて取り戻すプロセスの痛みと美しさが見られる映画なのです。
しかし、ウッドストック主催者が次のコンサートの構想を語るシーンは、そのコンサートが「音楽による愛と平和」を結果的にものの見事に壊してしまったコンサートとであることをすでに知っている私たちには寒気がするシーンです。
いささか冗長なところもありましたが、久しぶりにいい映画を見ました。

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