まんがガイド沖縄という変わり種ガイドブック

2015年のある冬のこと、ヤフオク!でマップルやるるぶ沖縄のバックナンバーを探していたらこんな変わり種を見つけました。
マップルマガジンの変わり種である「まんがガイド沖縄」です。


作画は「それ行け漁太」という漫画を描かれている上原武久さん。

内容は、民宿のヘルパーにきた内地の学生四人組を、民宿の息子である地元の学生が観光案内しながら沖縄の歴史について熱く語るといった漫画です。
作中、那覇の本土化について語られますが、那覇タワーや沖縄三越といった沖縄独自の商業施設がなくなり、移動中、スシローやバーミヤン等の看板を見つけて唖然とした2015年の夏を思うと94年当時は沖縄と本土が混在し、不思議な空気を醸し出していたのかもなあと思いを馳せます。
他にも今ではなかなか紹介されない観光施設にスポットが当てられたりとなかなか興味深いです。
特に今はなきひめゆりパークを観光し、内地の学生四人組がうちわサボテンのステーキを堪能するくだりは「そういえば、行きたかったけど、私が沖縄行った頃にはすでにひめゆりパークは閉園してたんだよなあ」としんみりしてしまいました。

反面、民宿の息子が「しっかり覚えてくれ!」と間欠泉の如く、沖縄の歴史を語りだすくだりは正直、青い海が見たいから沖縄行きたいなあと思っているようなライトな沖縄旅行者ならどん引きし、沖縄に行く足がかえって遠退くのでは?と心配になるくらいです。
上原さんのこのガイドを通して沖縄の重い歴史を知ってもらいたい!それを踏まえて沖縄に来てほしいという気持ちは漫画を通してわかるのですが、正直、空回りしている感が否めません。
その後、まんがガイド沖縄を見かけないのですが、やはり94年の一年のみの企画になったのでしょうか?
色々ツッコミたいところはありますが、出版社にも余裕があり、さらに沖縄ブームの前夜の空気も相まっての今では考えられないこの雑誌。
貴重な資料となりました。(残念ながら当該ガイドブックは熊本地震の際にかなり汚損してしまい、なくなく廃棄。今、ヤフオクやメルカリで探している最中です。見つけたという方、一報ください)

文責・コサイミキ

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