喜屋武マリーツアーパンフレットレビュー続き

さて、パンフレットの中にはメンバー紹介、マリーwith Medusaの歴史、マリーさんについてのマスコミの評価などが掲載された小冊子とライブのフライヤーが挟まれておりました。


今ではスタジアム級のミュージシャンでもパンフレットを物販に出すことはないこのご時世、バブルの最中の1989年というのを差し引いても密度の濃いパンフレットです。


同時に、改めて喜屋武マリーというロッカーが、こういう発言を敢えていたしますが、マリーさんの当時の旦那さんが手掛けた《最高傑作》であり、《集大成》なのだというのがパンフレットの、マリーさんの生い立ち、沖縄と日本の隔たりといった部分を全面に押し出した構成から伝わってきました。

当時のマスコミや文化人のマリーさん評も、マリーさんにマイクという名の剣を手にし、歌を武器にして戦う女戦士、または母として生きながらもロックミュージシャンとして精進する新感覚の《聖母》というイメージを押し出した批評が多いのも、旦那さんのプロデュースの成果ないし副産物なのかなあと、後にマリーさんがご自身のブログにて綴られた自伝と照らし合わせながら余計なことを思うのです。

そして、そのイメージは当時のウーマンリブ運動や好景気に裏打ちされたキャリアウーマン賛美の流れや、マスメディアが掲げた「新しい女」像も後押ししているのかなあと考えが過ります。

今、マリーさんは当時をどう振り返るのでしょうか。下世話ながらも気になるのです。

最後に。
以前、沖縄ロック繋がりの友人からマリーさんがリポビタンDのCMに出ていた情報を聞きましたが、まさか、小冊子の巻末の広告でそれが本当だと知ることになるとは……。

こちらです。

マリーのハートは沖縄の元気です。

このキャッチフレーズから、喜屋武マリーさんが当時の沖縄のアイコン的存在だったことが感じられ、今を知るものとしては冷たい風が体を吹き抜けるように切なくもさびしくなるのです。

文責・コサイミキ

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