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部下に「穴掘り拷問」をさせてないか?

旧ソ連のシベリアあたりで、かつて「最もきつい拷問」と呼ばれたものがあったそうです。
それは、囚人に一日中、スコップで大きな穴を掘らせ、次の日にはその穴を埋めさせる、そしてまた次の日には穴を掘らせる、これをずっと繰り返させるものだったそうです。
1週間もすると、どんな屈強な囚人も音を上げ、発狂する者も少なくなかったといいます。
「目的のない作業の繰り返し」は、人を疲弊させ、やがて狂わせてしまうんですね。

これと同じことを新人や部下教育でやってしまってませんでしょうか?
「穴を掘る」というのはHowです。どうやるか。
それに対して、What(目的)とWhy(なぜ大事か)自分の言葉で伝えられているでしょうか?
特に新人さんが日々こなしている事務や業務は、一見、穴掘りのように見えてしまうかもしれません。
でも、その事務や業務がどんなことにつながり、何を達成するために必要なのか?それを伝えてあげることが大事だと思います。
法人においては、その最上位にあたるのが「理念」だと思います。
しかし、目の前の事務や業務からいきなり「理念」を語るとどうでしょう?
「あなたの仕事は、世の中の〇〇という人達を幸せにするためだ。」とか。
あまりに大きすぎて、飛躍しすぎて、「いや、それは分かるんですけど。」ってなりませんか?
あまりに大きすぎる目的は、想像しづらいんです。
だから、その間にある中レベルの目的を理解してもらうのがいいのではないでしょうか。
例えば、社会福祉法人で総務事務の仕事をしているとします。
目の前の仕事は伝票を整理したり、給与の支払いをしたり、ということかもしれません。
最上位の目的としては、地域福祉の向上みたいなものかもしれません。
ただ、総務事務→地域福祉向上、では飛躍し過ぎて、イメージできないと思います。
その間にあるもの、たとえば、スタッフが働きやすくなる、気持ちよく安心して働ける、だからこそ、良いサービスが提供できる、という中レベルの目的ですね。
想像しやすい「中レベルの目的」をイメージしてもらう、そんなことが効果的なのかもしれません。

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