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オールドタイプとニュータイプ

『ニュータイプの時代』(山口周)の中に「オールドタイプ」「ニュータイプ」ということが書かれていました。
「オールドタイプ」は、20世紀から21世紀初頭にかけて高く評価されてきた人材の思考・行動様式のタイプであり、従順で論理的、勤勉な人材です。
それに対し今後、大きな価値を生み出し、豊かな人生を送れるのが「ニュータイプ」だとしています。特徴としては自由、直感的、わがまま、好奇心が強いなどの特徴があります。
この2つのタイプには様々な違いがあるとされているのですが、今回は3つを紹介したいと思います。

1)オールドタイプは「正解」を探し、ニュータイプは「問題」を探す。
「問題」とは、"望ましい状態と現在の状況が一致してない状況"です。これを解決するのが「正解」です。
分かりやすい例だと、"食品を低温で保存したい"という問題に対し、冷蔵庫という製品が開発され、供給される、というのが「正解」ですね。飽和の時代と言われる現代、正解を作り出す「モノ」は溢れすぎています。
モノではなくとコト(サービス)でも同じことが言えますね。
問題は、つまり人々のニーズ、欲求と言い換えることができるかもしれません。
例えば"電話を持ち歩きたい"という問題に対し、携帯電話という正解は様々なバージョンアップを繰り返してきました。
そこで登場した「スマートフォン」は、"こんなのあったらいいでしょ?"と、「問題から作り出した」ところが画期的だったと言えます。

2)オールドタイプは「予測」し、ニュータイプは「構想」する。
一般にビジネスの世界では、「将来予測」を立て、事業計画を策定してきました。つまり「将来はこうなりそうだから、こういう商品やサービスをつくろう。」という思考ですね。
これに対し、ニュータイプは「未来をどうしたいのか?」から作り出します。"バックキャスティング"の考え方ですね。「無いなら作ってしまえ。」の精神です。
なぜ計画ではないのか?それは「VUCAの時代」(激動、不確実、複雑、不透明)というのが大きな理由として挙げられます。

3)オールドタイプは「綿密に計画」し、ニュータイプは「とりあえず試す。」
VUCAの時代、綿密に計画したところで、将来はどうなるかわからないのです。ひと昔前のように制度や市場、テクノロジーのレベルが5年も10年も同じ水準ということはありえません。
だとすれば、「まずはやってみる。」ことが有効です。小さく始める、実験する、といった感じでしょうか。
Amazonは今でこそ世界最大のオンラインストアとして地位を固めていますが、これまでに70以上の事業に参入し、その3分の1はスパッと撤退しています。まさに「試し上手は、やめ上手」と言ったところです。
まずはプロトタイプをつくり、実験し、検証していくというサイクルを速くたくさん回すことがニュータイプのやり方です。


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