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ご褒美でやる気が下がる?

人のモチベーションを生み出す「動機づけ」には、2種類があります。
ひとつは、褒められる・報酬がもらえる、やらないと罰を受けるなどの「外発的動機づけ」です。もうひとつは、好奇心や興味を持って、自分からやりたいと考える「内発的動機づけ」です。

会社としては、社員に内発的動機づけを身につけてもらうのが良いとされていますが、間違ったアプローチをしてしまうと、内発的動機づけが外発的動機づけに変化してしまう場合があります。
たとえば、子どもが親に喜んでもらおうと手伝いをしていたら、親がお小遣いをくれた(外発的動機づけ)。その後、子どもはお小遣いをもらわないと手伝いをしなくなってしまった。というパターンや、子どもがおやつを食べ終わってから掃除をしようと思っていたところ(内発的な動機付け)、通りかかった母親に「掃除しなさい!」と怒られ(外発的な動機付け)、やる気がなくなったというパターンです。これを「アンダーマイニング効果」というそうです。
つまり、内発的に動機づけられた行為に対して外発的な動機づけを行うことによって、モチベーションが低下する現象、ということですね。
アンダーマイニング効果が起こる原因としては、物質的な報酬以外にも、罰の脅威、締め切り、監視、競争、評価などがあります。

人には元々「自分の行動は自分で決めたい」と望む自己決定の欲求や「できないことをできるようになりたい」と望む欲求があるそうです。
これを挫かれてしまうと、モチベーションが下がってしまうんですね。

アンダーマイニング効果を起こさないようにするためには、物質的な報酬を期待させず、「他者から統制されている」と感じさせないことが大切です。
ただ、社員の頑張りに対して報酬を与えないわけにはいきません。この対策としては、物質的な報酬ではなく「言語的な報酬(期待や賞賛の言葉)」を与えることが効果的とされています。
良いコミュニケーションも生まれるので、一石二鳥ですね。

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