事実と解釈を分ける。
仕事をする上で、事実と解釈が間違って伝わることにより、コミュニケーションがすれ違ってしまったり、仕事自体に支障が生じることがあります。
ご近所の噂話ならともかく、社会人が組織において取り違えることは避けたいところですよね。
まず言葉の定義から確認すると、
事実:実際に起こった事柄、現実に存在する事柄。
解釈:物事や人の言動などについて自分なりに考え理解すること。
例えば、「今日の気温は30℃です。」が事実で、「今日は暑いです。」が解釈ですね。
会話の例でみてみると、
上司「この前の社長への説明、承認もらえた?」
部下「かなりうまくいきました。」(解釈)
上司「うまくいったってことは承認してもらえたの?」
部下「いや、そこまでは至ってません。」(事実)
上司「承認できない理由は?」
部下「予算の部分が納得いっていないみたいで。でも全体的に首を傾げてました。」(解釈)
上司「予算をクリアすれば承認もらえるかな?」
部下「大丈夫だと思います。」(解釈)
部下の回答の中に「解釈」が含まれていることがわかります。
事実は客観、解釈は主観と言い換えることができます。
事実、客観は誰が見ても変わらないのに対し、解釈、主観は人によって変わってしまいます。
その前提でいくと、ビジネスの現場では基本的に「解釈」を使わない方がいいですよね。
さきほどの例でいくと、上司が予算の問題をクリアし、再度社長に説明しても、それ以外の問題で承認が得られない場面が目に浮かびます。
もちろん、相手がどんな感触だったのか?気持ちや感情のニュアンスを伝えるには解釈が求められるときもあります。
解釈を話すときは、「これは個人的な感覚ですが」とか「主観ですが」という前置きを入れることで、コミュニケーションのすれ違いを防ぐことができます。
1対1でも起こりうるこの問題は、会議など大人数の場合、もっとひどい事態となり得るので注意が必要ですね。
また、「成長」「育成」「マネジメント」「改善」「努力」「前向きに検討」など、人によって捉え方が異なってしまう抽象的で都合の良い言葉の使い方にも気をつけたいものです。
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