勇気と無謀の違いは神様も教えてくれなかった (6)
僕は寝室で聖句を唱えて守護天使バクティを具現化し、癒しを行った。男の血まみれの後頭部とミレイユの背中の傷はすぐに治った。
眠っている男を起こさないようにと、僕らは寝室の隣の居間へ移動した。ミレイユがランプを点すと、質の良い調度品でととのえられた室内の様子が浮かび上がった。
僕には、彼女に言わなければならないことがあった。部屋が完全に明るくなるのも待ちきれず、声を張り上げていた。
「申し訳ありません! 玄関のドアを壊してしまいました! 明日必ず修理に来ますので、どうか