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30歳の私へ

27歳の誕生日を迎えた。

1月3日という日は、誕生日をしにくい。
子供の頃は家族もみんな揃ってる休日だから嬉しかったけど、大人になると毎年なぜだかいろいろ考えてしまう。
友達はお正月で一家団欒してるだろうし(そもそも自分の誕生日に「遊ぼ!」なんて言える性格じゃない)、次の日は仕事始め、これといって1人でやりたいこともない。いっそ会社がある日なら気を紛らわせた。誕生日は楽しく過ごすべき呪縛に、毎年プレッシャーを感じている。

そして、今年は元旦に大地震が起きた。
私ひとりが誕生日をどう過ごそうがなにも現状は変わらないのに、悲しさと、祝われちゃいけないんじゃないかなんて、いろんな感情が混じった。『3.11 誕生日』なんて検索して、同じ人を見つけようとした自分が本当に残酷だと思う。アルコールに頼りながら寝て、情けなく朝を迎えた。

前の職場の部長、いまの同僚、辞めちゃった元同僚、友達、疎遠になってた友達、家族。こんなに「おめでとう」LINEが来たのは大人になってから本当に久しぶりでびっくりした(LINEに誕生日登録しておいてよかった)。私、祝われて大丈夫だったのか。去年これだけの人と関わったってことかとも実感した。
街に出たらみんな普通に生きてた。東京は被害ないからそうだよね。でもいつものように混んでるデパ地下や、観光客、カップル、帰省帰りのトランク持った人を見て、ちょっと救われたの。誕生日どうこうじゃなくて、普通に生きてていいんだって。

「アパートのトイレットペーパーが切れてるから買わなきゃ」と、実家に帰った時呟いていたら母が段ボールで送ってくれた。誕生日のメッセージカードも入っていて、正直めちゃめちゃ号泣した。頭痛い。

大丈夫、あと3年もすれば27歳の誕生日に何をしてたかなんてきっと忘れてる。こんな悲しさも嬉しさもどうしようもなさも全部忘れて、また違う誕生日を過ごしてる。

そう思うんだけど、いつかは「今までの人生で1番楽しかった」と思える誕生日を過ごしたい。そして、2024年の元旦の出来事、今も起きてることを忘れないでいたい、忘れられない、忘れないためにここに残した。


祝えるのさ、自分しかいないから。
今日だけはおめでとう。

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