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春のじぃさま
大好きな近所のじぃさま
年が明けたらまた会いに行こう
なんて思ってたら、2月の寒い日の朝、天国へ行ってしまった
行けばよかった
こうしとけばよかった
そんな後悔は尽きないけど
それよりもこの事実を受け止めて
どう過ごすかが大切に思えた
心の中でずっと色んなことを話しかけるけど
ありがとう
しか出てこない
地域のこと、人のこと、農業や狩りのこと、
色んなことを毎年、春の苗を眺めながら
いっぱい喋りまくって…
今思い出すのは
『俺の同級は皆逝ってしまったしなー』
という言葉
何でもやりたがりの私の事を『嬉しがり』と言っていたこと
人懐っこい
笑顔が可愛い
チュプに吠えられまくっても来てくれる
軽トラを卒業した後も、家の窓から畑にいる私たちを見守ってくれる
なんだかんだで地域で一番愛に溢れてる
夫婦で辛いことあったらどうしてたの?
地域でこんな事あったらどうしたらいいの?
聴きたいことがわんさか出てきては、涙も出てくる
![](https://assets.st-note.com/img/1645929685776-PhRA8a3CZi.jpg?width=800)
90歳になる前に免許返却し、もえにやる!ってくれた
この軽トラでいつも地域をまわっては、
おいっ!
と声をかけてくれてた
ある日は、畑に刺身を持ってきてくれて、
たかさんと三人で畑の隅で食べた
わざわざ持ってきてくれたことが嬉しくて、
すごく美味しかったのを覚えてる
亡くなった数日後、じぃさまをおもって大好きなお寿司と一緒にいただいた
![](https://assets.st-note.com/img/1645930098485-inIz9x0K8E.jpg?width=800)
じぃさまがよく食べていた
どんだけ偉大な事をしたか
どんだけきれいな言葉を並べたかでなく、
どれだけ私たちのことを愛をもって見守ってくれたか
それをごくごく当たり前のことで自然にしていたじぃさま
どんな時でも、ひょいっと軽トラから顔を出して、声をかけてくれる
私たちの事を可愛がってくれていたじぃさま
そして私たちもじぃさまが好きだ
私たちが尊敬する一番の存在
悲しみは消えないけど
どんな人間でありたいかって考えたとき
じぃさまのような人間でありたいって思う
じぃさまの存在があって、自分たちが毎年春を迎えていたことに、
いなくなった春にやっと気づいた
私たちと出会ってくれて、ありがとう
今もきっと見守ってくれていると信じて
遅ればせながら種を蒔く
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