これは劇薬か、はたまた禁断の果実か?~デッキに入れることのできないカードに思いを馳せる~
ご挨拶
こんにちは、ぐるまんと申します。
私はポケモンカードを全シリーズ遊んでいるだけの一般市民です。
現在2か月に1回のペースで、「ゆるやかエクストラ」というエクストラレギュレーション(以下、エクストラと表記)でゆったり楽しく遊ぶ場を作っています。「エクストラ」と聞くと「何をされるかわからないから怖い…」という印象が多いので、「ゆるやかエクストラ」を通して「エクストラ怖くないよ~」という啓蒙を行っております。
ところで、「何をされるかわからないから怖い…」という印象はどこから来るものなのでしょうか?
「トレーナーズウェブサイト」によると、エクストラについては「スタンダードレギュレーションよりさらに前に発売されている、『BW』シリーズから最新のカードまでで使用範囲を定めており、豊富な種類のカードで一味違ったゲーム性を楽しめるレギュレーションです」という説明がされています。
「一味違ったゲーム性」…。
「なるほどね」となりました。
ストレージの奥深くへ沈んでいったカードたち
BWやXY、サン・ムーン、ソード・シールドのカードで遊んでいた方なら、おそらく「デッキに入れることのできないカード」をどれか1枚はお持ちのはずです。そのカード、今はどちらにありますか?
私は同レギュレーションごとに分けたストレージに、区別なくガサっとしまっています。
先日も「ゆるやかエクストラ」のおもてなしデッキ(参加者が奇数の場合は主催が入って遊ぶため、必ずデッキを持っていっています)を作るためにストレージをひっくり返していたところ、「リセットスタンプ」に目が留まりました。
「いや~、なんでこんなカード作ったんだろう…。飲み会の席で決めたに違いない」などと思いつつ、「エクストラではもう使うことはないのか…」としみじみしていました。
今後出番は(おそらく)ないであろう「リセットスタンプ」に敬意を表し、「デッキに入れることができないカード」に思いを馳せてみようと思ってこの記事を書き始めました。
デッキに入れることができないカード
「トレーナーズウェブサイト」によると、現在、以下のカードが「デッキに入れることができないカード」と指定されています。
アーケオス(BW2)
フラダリの奥の手
巨大植物の森
マツブサの隠し玉
アンノーン(SM8 特性「DAMAGE[ダメージ]」)
アンノーン(SM8 特性「HAND[ハンド]」)
こわいおねえさん
ムサシとコジロウ
リセットスタンプ
マーシャドー(SM3+など 特性「やぶれかぶれ」)
フラベベ(SM6 特性「ぬけがけしんか」)
ムウマージ(SM10)
レッドカード
ザクザクピッケル
しまめぐりのあかし
ゲーチス
マチスの作戦
ヤレユータン(SM5Sなど)
時のパズル(XY9など)
オカルトマニア(XY7など)
シェイミEX(XY6など)
ミロカロス(XY2など)
ヤミラミ(BW4)
回収ネット(S2など)
これらのカードについて、1枚1枚見ていきましょう。
アーケオス(BW2)
特性「げんしのちから」が非常に強力で、「ポケモンを順番に進化させて強くしましょう」という遊び方の原則を覆されました。「シンカソーダ」等を経由すればポケモンを進化させることは可能ですが、厄介であることは間違いありません。
フラダリの奥の手
「よし、残り山札はあと3枚!次の自分の番にあのカードを引き切って勝てる!」
「『フラダリの奥の手』を使います」
「!?」
…となったことはありやなしや、衝撃的なテキストです。
どうしてこのカードが生まれたのかわかりません。
巨大植物の森
草ポケモンデッキ大好きな私としては、どうして「デッキに入れることのできないカード」になってしまったのか非常に不服です。
ジュナイパーGXをすぐに用意してチュンチュンつつくのが楽しかったので、早く返してほしいです。
???「イライラかふん!」
???「きょだいなうちわ!」
マツブサの隠し玉
他に同様のカードがあるのになぜこれだけダメなの?と考えたところ、先ほどのアーケオスさんのせいでダメなのだろうと判断しました。
私としてはセキタンザン(タールジェネレート)をポコポコ出したいのですが…。
アンノーン(SM8 特性「DAMAGE[ダメージ]」)
ランクルスの「ダメージスワップ」を使って自分のベンチポケモンにあれこれのせ替えることで割と容易に「DAMAGE」が決まってしまうため、おそらく制限がかけられたのではないかと考えています。
「DAMAGE」のデッキについては詳細な記事がありますのでご紹介します。
https://yuyu-tei.jp/show/poc/content/10719
アンノーン(SM8 特性「HAND[ハンド]」)
こちらはカードをたくさん引く特性(エンニュートの「あぶりだす」)や、場から手札に戻る特性(ミミロップの「だいジャンプ」)等で割と楽しく達成できます。当時のスタンダードレギュレーションでは一度だけHANDを決めることができて、とても満足した覚えがあります。良きカードでした。
こわいおねえさん
場にスタジアムが出ていないと使えないサポートですが、それでも強力な効果を持っています。当時一緒に使えた「レッドカード」と組み合わせると、相手の手札を1枚にできます。相手自身が捨てる手札を選べるとはいえ、対戦の終盤で使われると非常に難しい選択を迫られます。
ムサシとコジロウ
ロケット団大好きクラブな皆さん、だいたいロケット団のプレイマットを敷いて「リセットスタンプ」→「ムサシとコジロウ」というコンボを嬉々として決められていた印象があります。どんどん手札をなくされて悲しくなりました。
RもSRもイラストがとても好きでした。
リセットスタンプ
数多のプレイヤーを泣かせ、悔しがらせました。
地獄へ送り込んだり送り込まれたりを繰り返した問題作です。
どうしてグッズで導入されたのかいまだに疑問ですが、当時何度も助けてもらった恩もあるのでそっとしておきたいです。
マーシャドー(SM3+など 特性「やぶれかぶれ」)
先1マーシャドーやぶれかぶれカキ!!!!!
通じる方はもう若くありません。お諦めください。
フラベベ(SM6 特性「ぬけがけしんか」)
リリース当初は問題のなかったフラベベさん。
時は流れ、一年経つと…。
とんでもない特性を持った進化系が現れてしまいました。
フラベベをベンチに並べて、「回収ネット」も組み合わせれば、後攻1ターン目からお相手の手札をどんどんなくすことができてしまいます。
「相手の行動を制限するカード」を制限しようという公式の意図を感じられます。
ムウマージ(SM10)
「サン・ムーン」の範囲には「サイド差がついていると使える強力なカード」が多くみられます。こちらのムウマージは後述する「マチスの作戦」と組み合わせることで、相手を妨害するサポートをさらに2回使えるようになります。「やみのいし」でムウマを出したその番にムウマージを進化させることができるため、実現可能性の高いコンボとなりました。
実際にどういった使われ方をされたのかはこちらの記事が詳しいです(CL東京2020エクストラの優勝デッキ解説記事です)。
https://note.com/game2broke/n/nb5c4db58855f
レッドカード
「リセットスタンプ」の先輩です。
「レッドカード」のテキストもグッズで行って良いことではないと思うのですが、特に反省の色は示されず、やがて「リセットスタンプ」も生まれてしまいました。
お相手の手札を4枚にさせたらあとはちょちょいのちょいで手札をゼロにできてしまうので、健全なカードではないですね。
ザクザクピッケル
私は当時、「アローラガラガラ」の「みたまくずし」を使いたくてザクザクピッケルをデッキに入れていました。
お相手のデッキの上から3枚のうちにポケモンがいることを祈りながら遊んでいたので、若干のパーティー要素があって楽しいデッキとなりましたが、世間一般の皆様はだいたいわるだくみをしていたそうです。
相手のデッキの一番上を操作できてしまうので、不要なカードを引かせてお相手には何もさせない、という状況が作り出せたのでした。
しまめぐりのあかし
「HPが100以下のポケモンにはつけられない」という例外事項がないため、HPが90の「ジラーチEX」につけることでわざとジラーチEXをきぜつさせ、相手にサイドをとらせてから「マチスの作戦」「N」等であれやこれや妨害していくデッキがありました(先ほどの「ムウマージ」の項目をご参照ください)。サイド差がある(負けている)ときにカウンターしやすい環境を作りたかったのかもしれませんが、実際は大会で悪いことに使われてしまうのでした。
ゲーチス
「BW」や「XY」の時代は「アララギ博士」や「プラターヌ博士」で山札をどんどん引いていくデッキが主体でした。相手の手札の枚数が多いときに使うと強力な一枚です。
特に「サン・ムーン」までのエクストラの対戦においては先攻1ターン目にサポートを使うことができるため、グッズがたくさん搭載されたデッキを使われがちなエクストラの環境にとても刺さっていたように思います。
マチスの作戦
諸悪の根源。
ヤレユータン(SM5Sなど)
だいたい悪いことに使われました。
先ほどの「ザクザクピッケル」や「改造ハンマー」等々、何度も使ってお相手を邪魔したいカードを山札に戻してはまた持ってくるという行動をとれます。
たねポケモン、かつ無色エネルギー1個で使えるコストパフォーマンスの良さが話題となり、やがて「ダメよ」と言われるようになってしまいました。
時のパズル(XY9など)
2枚同時に使うことで、トラッシュから好きなカードを2枚手札に加えることができます。「好きなカード」を「2枚」も回収できてしまうので、お相手を妨害するカードをすぐに用意することができる、妨害デッキ好きの皆様が愛するカードでした。
オカルトマニア(XY7など)
特性で盤面を整えることが多いポケモンカードの世界において、あまりにも強力な一枚です。
トラッシュにも効果がかかるため、トラッシュから特性の効果でベンチや手札に戻れるポケモン(ギラティナやタマタマ)も封じることができます。
シェイミEX(XY6など)
とてもお世話になった一枚です。
1ターンに1回だけ使えるという制限がないので、複数のシェイミEXを出して山札からカードを引いたり、「回収ネット」で何度も使いまわしたりできました。あまりにもカードを引け過ぎてしまうので、似たような特性で戻ってきた「デデンネGX」や「クロバットV」には1ターンに1回だけ使えるという制限がかけられました。
ミロカロス(XY2など)
先述の「ムウマージ」同様、わざときぜつさせてなんやかんやするコンボができるポケモンです。トラッシュから基本エネルギーを3枚も自分のポケモン1匹につけられるので、お手軽手札なくしポケモンこと「オーロット&ヨノワールGX」にエネルギーをつけてワザ「ナイトウォッチャー」につなげられます。
なお、こちらの「ミロカロス」がデッキに入れられないカードに指定されたあと、ワザ「かくせい」を覚えたヒンバスが登場し、「ついにかくせいのヒンバスが!?」と一部で話題になりました。
ヤミラミ(BW4)
こちらのヤミラミを採用した山札切れを狙うデッキをお使いの選手がCL愛知2020(エクストラ)で優勝されました。
https://www.pokemon-card.com/info/2019/20191227_002253.html
「ロケット団の工作」や「ジュジュベ&ハチクマン」といったサポートでお相手の山札をトラッシュし、「リーリエのピッピ人形」や「みがわりロボ」を押し付けてお相手にはサイドをとらせないようにする戦法です。
たねポケモン、かつ悪エネルギー1個のワザで「バトルサーチャー」や「みがわりロボ」等のグッズを手札に戻せることから、とても汎用性のあるポケモンとしてわるだくみをされる皆様に愛されました。
回収ネット(S2など)
長い時を経て、ついに回収ネットが「デッキに入れることができないカード」に指定されました!めでたいですね!
どれどれ、指定日は2023年10月27日(金)ですか…。
あれ、その日って?
たぶんあなたのせい。
最後に…
こんなに長い記事をご覧いただき、ありがとうございました。
「デッキに入れることができないカード」のことを少しでも気にかけてもらえたら嬉しいです。
え?「こんなに紹介されたらかえって使いたくなっちゃう」って?
しょうがないですね…。
ということで、イベントを開きます。
大実験の時間です。
イベント名は
「ときはなたれしゆるやかエクストラ」
です。
まさかの公認自主イベントです。
参加受付はgoogleフォームにて行います。
受付は11月15日(水)の19時より行います。
https://forms.gle/785uwiAeLzq86fdP8
<当日のスケジュール>
18:30~19:00 受付
19:00~21:15 対戦会(同じお相手と先攻・後攻入れ替えて2回対戦していただく予定です。終わったら他の方と交換して遊んでいただきます)
21:15~21:30 デッキお披露目会(参加者の皆様にデッキを並べていただき、みんなで眺めます)
21:30 解散
特に賞品や順位は設けませんので、お気軽にご参加ください!
なお、「デッキに入れることのできないカード」を使わなくても構いません。おそらく一度きりのイベントになると思われますので、気になる方は是非よろしくお願いします。
ぐるまん
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