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<開催報告>【Over60限定】若者と政治について気軽に話す会(5/9・日)ぐるグル#18

5月9日(日)に、22歳の僕鈴木と、60代以上の方だけに絞って、政治や、まちや、社会のことについて気軽に意見交換する場を実施してみました。

イベント概要

開催日:2021年5月12日(日)10:00〜12:00
テーマ:【Over60限定】若者と政治について気軽に話す会
ご参加いただいた人数:10名(うち主催2名)
開催場所:オンライン(Zoom)
企画:鈴木、塩野

会の流れ

・会の趣旨について/自己紹介
・「22歳の僕が、上の世代に対して思うこと/聞いてみたいこと」
・フリートーク
・最後に一言

今回は、Over60限定ということで、60歳になりたての方から、団塊世代の方、上は75歳の方がご参加してくれました。男女比は4:6で少し女性が多めでした。

22歳の僕が、Over60について思うこと/聞いてみたいこと

はじめに、自分がこの会を開催した理由である「いいまちをつくっていくには、若者だけではなく、上の世代の動き/投票もとても重要なのではないか」ということをお話しました。

よく今の政治の不満を語られるときに「若者の投票率が低いから…」との意見を耳にします。僕も概ね賛成ではあるのですが、その一方で、1969年以降、20代の投票率は他の世代のそれを上回ったことはありません

若者の政治的な影響力が低くなっているというならば、それは若者の投票率が低いことだけではなく、少子高齢化が加速して有権者数が減少していることも原因の一つとして挙げられると思います。

その上で今不足しているのは「他者を想像した投票」ではないかということです。特に都市部において核家族化やSNSにより、世代間の分断が進んでいると感じます。Over60も、若者も、子育て中のママも、働いている人も、それぞれがそれぞれのことを想像した上で投票することができれば、いいまちはつくられるのではないかと思うのです。

これまでOver60の方と政治について話す中で、「私はもう政治に参画する年ではないし…」との意見も聞きますが、有権者数が多く人生経験も豊富なOver60の影響は依然とても大きいと思っていることをお話しました。

その上で僕が上の世代に聞きたかった質問

1、なぜかつての若者の投票率は高かったのですが?
2、若い頃、政治について話していましたか?
3、投票するときにどんな動機で投票していますか?
4、 あなたの周りにいる若者は、どのようにうつっていますか?

を投げかけさせてもらいました。

こんな話になりました

22歳の僕の意見には最後に(鈴木)と記入しています。それ以外は全て参加者の方から出た意見です。読みやすいように、また匿名性が守られるように一部編集を加えています。

・若いときはある程度自由もあるので、行政に頼らずとも生きていけることが大きい。歳をとると納税した分を取り返したいと思うようになる。また、昔に比べて一票が反映されにくくなっている感覚がある。
・官僚になりたい人も減っているのではないか。ソーシャルグットに興味がある若者が増えているように感じていて、民の力で変えていこうとしている。いい意味で選挙から離れているのではないか。

・昔は選挙には冷めていた。最悪の結果を避けるために投票していた。リアリティーがあまりない。
・「他者への想像力を持った投票」というのは鋭いなと思った。かつてのヨーロッパにおけるカフェが、王政を倒す拠点となった。ただ現代においてカフェが必ずしも良いということではなく、子ども食堂にも可能性があるかもしれない。

・地域の人と交わる中で想像力が育まれることってあると思う。
・ただ地域に交わらなくても、社会と交わらなくても暮らしていける。(鈴木)

・日本の若者が外国に出て行かないように感じている。でも別に出て行かなくても、日本は暮らしやすい。戦うべき相手がないのではないか。一回、社会が崩壊したら気づくのではないか。
・今のカフェが多様性に出会う場ではなくなっている。

・社会はすでに壊れているのではないか。大学を出た時点で数百万円の借金(奨学金の返済)を背負うようになっている。
・日本の若者は小さな幸せを大事にしている印象がある。海外の若者に比べて(いいか悪いかは別にして)闘争心がないのではないか。

・闘争心がないというより、それよりも「自己責任」が根深いことを感じる。自分が何か不満があったりしても、それを社会に物申すという思考に至らないと感じることがある。(鈴木)

・自分の生活しか想像できないので、小さな幸せを大事にしていくのかもしれない。自分自身は、自分の家族の世代以外のことは想像をしずらい。ただニュースがあったときに想像力が働くこともある。

・「レスボンビリティー(反応する力)」も大事なのではないか。反応できずに順応していくと、行き過ぎた時には過労死と自殺が待っている。
・川崎ではラップをしながら自分のことを話すといったことをしている集団がある。弱みを見せられることと、レスポンビリティーには関係性があるように感じる。

・政治に関心を生まれるには、人に関心を持つ必要がある。だから子供は人に関心が生まれるように育てている。ただ、人に出逢おうと思って出かける地域のイベントは、終わってしまうことも多くある。地域の中で継続的に人に関われる場が大事ではないか。畑はその一つだと思うし、ぐるグルもその一つとして頑張ってほしい。

・自虐的な空気を今の話の流れからも感じる。海外からは慰安婦問題など言われることがあるが、日本人は原発を落とされたことに文句をあまり言わない。戦争に負けたから仕方ない…、というのもあるかもしれない。おとなしい日本人。戦争をどう受け止めているのかというのかは大事なのかもしれない。ラップで弱みを爆発、とても気になる。

・ここまでネガティブな話が語られているけれども、日本が他国と比べて経済的に豊かであることは事実。ただ今はGDPの成長と幸せがリンクしておらず、幸せの定義が全体として崩れてしまっているように感じる。だからこそ様々な人と幸せについて語ることが大事だと思うし、地域の政治家とも語るのが大事なのではないか。この前はじめて議員さんと話したらウェルカムだった。
・ただ一方でYouTubeなどを見ている人には通じないというところには、GAFAの功罪を感じる。

・以前国分寺市内で25歳のホームレスの子を保護したことがある。国立大学を出て、会社に就職した彼。見つけた時、所持金は10円。「生活保護を受けよう」と提案するも彼は「その資格がない」といった。なんとか止めて生活保護につなげたが、自己責任が根深いことをとても感じた。
・あなたが声をあげてもいいんだよ、と言ってあげられる場所が大事。私も一緒に悩む大人でありたい。

・自己責任と自立は違う。自立は人に依存をしていくのが必要。社会的な立場が弱い人を救っていくというのが大事でだと思う。

・高齢者の中でも投票を諦めている人がいる。自分も最悪の結果を避けるために投票している。
・「年寄りは老人ホーム入る」だけではなくて、地域の中で関わり合いが持ち続けられるといい。

会を開いた感想

「若者の投票率だけが問題なのか?」といった投げかけから、今の若者について考えること、そして社会全体のこと、地域での関わりのこと、様々な角度からやり取りが行われていました。

今回僕が興味深かったのが、それぞれの方が若者について語るとき、自ら接点がある人(息子娘、職場の方や、地域での関わりがある方)を想像して語られているのが印象的でした。他の世代のことを語るときに、現在他の世代と接点があるのかということが改めて大事だと痛感しました。

難しい話になるのか…、収拾がつくのか…、など会を実施する前には少しばかり不安だった自分ですが、終始おだやかに会が進みました。僕は僕でイメージのOver60像に支配されていたのかもしれません。このように上の世代とも、とても建設的な話し合いができたことが、一つ自信にもなりましたし、何よりOver60ひとり占めできてとても楽しかったです(笑)

最後に「いつもは遠慮してしまうけれど、今回はOver60ということで参加しました」「よく60代以上に声をかけてくれた!」といった励ましの声もいただいたので、テーマや地域だけでなく、時折年代で区切った政治について気軽に話せる会も開催していこうと思います。

ご参加くださった皆様、ありがとうございました!

(文責:鈴木)

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