見出し画像

みんなには、思いやりしかないらしい

木工とは関係のないことについてリサーチをしていたとき(本業の翻訳の作業中、ある言い回しが妥当かどうかを調べていたときでした)、ある木工家の方のサイトに行きついて、そこに「木が特別好きというわけではない」と書いてあったのが目に留まりました。

家具をつくる過程で、どのように木を扱ってきたかを振り返ると、木が好きでその生命を大切に考えている人間だったらしないようなことをしてきた、という趣旨でした。

それを読んで、自分を省みた。木が好き、と言うことになんの疑問も持ってこなかったけど、それってどうなんだ?と。。。

でもやっぱり木は好きだなあ、と思ったわけなんですけども、最近の自分の削り方は、思うような形を木に当てはめる方向に行き過ぎてやしなかったか、とは思いました。

木の聲を聴く、という言い方で少し前に、削りの方向について書きましたが、削りの方向以前に、もっと木の聲が聞こえていていいはずなのに聞こえてこないな、、、とは、ここしばらく感じていたのでした。

そういえば、木工家の方のサイトに出くわす2日前のこと。かなり久しぶりに、以前異種間コミュニケーションを教わった先生のおひとり、アンナ・ブレイテンバッハさんのことを思い出していました。

△アンナ・ブレイテンバッハさんの1分の動画「Living Kindly」(大変ビミョーではありますが自動翻訳による日本語字幕が出ます。右下の歯車マーク→「字幕」→「自動翻訳」→「日本語」)。

アンナさんがフェイスブックでシェアしていた短い動画↑で最近のアンナさんの佇まいを目にして、もっとあの声を聴いていたくなって、まだ見ていなかった長い動画を見たのでした。彼女の講演の動画です。

この中でアンナさんが、あらゆる存在には意識があるし、私たち人間の声や思いは波長としてそのまま聞こえている、私たちは伝えることについては何もしなくていい、ただ、聞けるようになることが必要、とおっしゃっていて。。。

そうだったそうだった、と思い出したのでした。聞くのがヘタになっているゆえに、何も言っていないかのようなつもりになっていたな、と。。。

あと、人間以外の存在はみんな、「根に持つ」ということが一切ない、どんなにひどい扱いを受けても根に持たない、と言っていたのも印象に残りました。

生きにくい環境になっているな、苦しいな、という自覚は持っても、そしてそれが人間の行いのせいだな、ということはわかっていても、人間を責めたり恨んだりはなくて、人間がどれだけ己を見失っているかを見て、思いやっている、というのです。

アンナさんのことをよく知らない人は、アンナさんが適当なことを言っているとか、希望的観測を投影しているとか、都合よく解釈しているとか思われるかもしれません。それに人間の言葉に翻訳する過程で、当然アンナさんのバイアスはある程度かかるとは思います。

でも、わたしはアンナさんの言葉にうそはないと感じています。アンナさんに実際にお会いしてみて、存在感に触れて、インテグリティのある人だと感じたという、ただそれだけの理由で、ですが。。。スピ系のものやことについては好きになれないことのほうが多いですが、彼女は好き。

わたし自身は異種間コミュニケーションの練習を怠ってきたので、心を静かにすることもぜんぜん上手でなくて、アンナさんのようにほかの種の声を聴けずにいますが、でもほんとうだろうと思うのです。木を含むあらゆる存在が、人間にひどい扱いをされていても恨んではいないこと、逆に思いやりをもって人間に接してくれていて、いろいろ働きかけてもくれていること。

仏陀は菩提樹の根元に座っていたからこそ悟りを開けんじゃないだろか、と常々思うのです。

画像1

△インド・ブッダガヤのマハーボーディ寺院脇にある菩提樹(仏陀が悟りを開いたとされる場所)。

異種の存在がコミュニケートしてくるとき、まるで自分の考えような感じで心や頭に浮かんでくるときがある、とアンナさんも言ってましたが、インスピレーションが湧くとき、そのインスピレーションはもしかしたら別の生き物からの”助言”かもしれないのですね。

もうずっと前になりますが、学校の帰り道にあったある木と親しくなったとき、私自身もそんな感じの体験をしたことがあります。自分では思いつきもしないような考えが、この木の前に立っていたとき浮かんで、びっくりして、これはこの木の思念なのかな、と思ったのが親しくなるきっかけでした。

あるとき学校でショックなことがあって、帰り道にこの木に「私は人間じゃない方がよかった」と話したとき、とてつもなくやさしく接してもらったこともありました。妄想と言われればそれまでだし、自分でも妄想だったのかもなあ、なんて思うときもありますが。。。そのときの体感は今も覚えています。とてもリアルでした。

あんなふうに木と交流できなくなって久しいですが、木という存在のこうした一面も、忘れずにいたいなと改めて思いました。

アンナさんの直近のメッセージ、「今日1日のあいだに、1匹でいいので、身近な生き物に優しくしてみてください。今あなたがいるその場所で、出会った生き物に」。とりあえずこれを毎日実践してみるのは、とってもよさそうです。「道で会った犬や虫、部屋にいる蜘蛛、キッチンにいる蟻……、今日1日(もしかしたら明日1日も)、今いる場所で出会った生き物に優しくできるなら、それは私たち自身、そして私たちと関わりを持つすべての存在の、健全さと幸せに大きな変化をもたらすはずです」(アンナさん)。

* * *

ぐり と グリーンウッドワーク:https://guritogreen.com/








応援をいただけたらとってもうれしく、励みになります :)