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ポートレートのジャンルを俯瞰してみた。


1.ポトレ撮影での停滞感

最近、ポートレート(以下、ポトレ)撮影にちょっと停滞感を感じています。ポトレ撮影を始めて2年ほどになりますが、手の届く範囲で撮影体験を重ねてきて、ポトレ写真としてのレベルアップに伸び悩みを感じており、同じところをぐるぐる回っているような感覚に焦りを感じ始めました。
そこで、次に私はどこへ向かうべきかを考えるべく思考の過程をまとめたのが本記事になります。

2.時間的・財政的限界の中で

当たり前ですが余暇の時間を全て写真に費やすことはできません。
あくまで「余暇」であって、家族との時間が一番なのです。
例えば、休日のうちの半日だけならまだしも、丸一日二日を撮影に当てることは相当困難なのが実情です。

また、同時に金銭的限界にも直面します。残念ながら潤沢な資金はないので、やりくりする中で費用を捻出していますし、捻出できる費用の中で最大限満足感の高い作品を作ることを考えなければなりません。

すなわち、広大なポトレの世界に対して、自分に残された時間や自分のリソースには限界があることを改めて認識し、一度ポトレ撮影の方向性について、自分はどうしたいのか、見つめ直したいと思いました。

3.ポトレジャンルを俯瞰する。

ここで、選択と集中、すなわち、自分の限界あるリソースを傾けるべきジャンルが見えてくるのではないかと、今までみてきたポトレ写真のジャンルを独断と偏見で仕分けして、俯瞰してみることにしました。

世界観持ってる系・モデルに合わせる系

自分独自の世界観を強く持っている方が、一般論的としてこだわるべきポイントが多く、時間も費用もコストが多くかかる印象です。
対して、モデルに合わせて撮るスタイルは、世界観持っている系に比べると相対的にコストは低いように感じます。
なお、写真を通して見せたい世界を強く持っている方が、一見満足度は高いように思いますが、世界観を強く持っていなくても結果として満足度が高められる人が一定数いる(自分のように。)のは後述します。

背景重視系・人物重視系

あくまで比重の話ですが、ポトレ写真におけるウェイトバランスとして背景に比重がどれくらい置かれているかということです。背景の比重が高ければ背景重視系・そうでなければ人物重視系と分けました。
先に述べた世界観持っている系は背景重視系と親和性が高く、モデルに合わせる系は人物重視系と親和性が高いように思います。

ロケ撮影系・室内撮影系

ロケ撮影を好むか室内撮影を好むかという話です。
一見室内系の方がスタジオ代がかかるのでコストが高いようにも感じますが、ロケ撮影でも遠征すれば時間も費用も嵩みますので、一概には、どちらがコストがかかるとは言えません。

ストロボ系・自然光系

これはストロボ系の方が機材にコストがかかります。この点、自然光はタダですね。

個撮系・撮影会系

個撮の方がまとまった時間が取れる反面、コストはかかります。
撮影会はコストが安い反面、時間が限られます。

コスチューム系・私服系・肌みせ系

こだわりのコスチュームを用意すると費用がかかりますが、モデルさんの私物服を用意してもらう場合は費用は基本的にかかりません。
ただし、肌みせ系の撮影は一般的にモデル撮影料金が高額になります。
一般に、コスチューム系・肌みせ系は世界観持ってる系と親和性が高いように思います。

4.トレードオフの狭間で

以上俯瞰してきたように、当たり前ではありますが、自分の世界観を強く持っていればいるほど、金銭的コストや時間的コストはかかります。
しかし、だからといって、コストのために自分のやりたいことを簡単に諦めるのは本末転倒ですね。ですから、利用することが許されるリソースの中で選択しながら、最大限自分のやりたいことを楽しむべし、ということが基本になります。

5.技術屋肌で芸術を楽しむ、いいと思います。

まだ結論を出すには早い気がしますが、
現時点では、自分の世界観を持つことにそれほどこだわりが強くないことに気づきました。
どういうことかというと、自分の持てる力を可能な限り高め、その力でモデルさんの魅力を最大化して世に出したいという点に自分のこだわりポイントはあり(技術屋肌?)、自分のこだわりの世界観を作ってそこにモデルさんに協力いただく(芸術家肌?)ことはさほどかもと感じているからです。
すなわち、自分のやりたいことは、己の技術を鍛錬し、モデルさんの魅力を最大化することを写真を通じてモデルさんに喜んでもらいたい、それがひいては自分の喜びや充足感につながるということです。

なので、現時点では、
・モデルに合わせる系
・ロケ撮影(遠征×)・室内撮影はどちらも
・ストロボ撮影(用意できる範囲で)・自然光撮影はどちらも
・個撮・撮影会はどちらも
・私服系
ということになりましょうか。

6.まとめ

以上、つらつらと書きながら自分の思考をまとめてきましたが、ポートレート撮影はとても楽しめる趣味だと思います。その中で、自分個人としては、少しでも技術的に進歩し続けたいという思いが強くあります。その根底には自分の作品を世に問いたいというよりも、写真を通じて人に喜んでもらいたいという気持ちが強いことに気づきました。その観点からポートレートのジャンルを俯瞰してみると、これからどんな撮影をしていこうかなということに一定の指針が見えてきました。
大事なのは身の丈にあった中で目一杯楽しむということです(自戒をこめて)。それでは。

7.おまけ

自分の技量を高めるという観点で、これから取り組みたいことをメモとして。
・ポージングの勉強(基本モデルさん任せなのはそろそろ卒業したい)
・ライティングの勉強(いいライティングは写真の基本だと思う)
・質の高い写真集を読む(インプット大事!)
・レタッチの勉強(レタッチはしたい、自分の個性も出せる)

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