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カップの中身をぶちまける

今回もインディーゲームである。
まだクリアできていないが書きたくて仕方ない。

カップヘッドについてである。

カップヘッド

難易度がバカみたいに高いことでお馴染みのシューティングアクションゲームである。
カップ頭の兄弟を操作してステージをクリアしていく、内容としてはシンプルなゲームだが、いわゆる死にゲー(死んで覚えるゲーム)と呼ばれる作品だ。
本当に死んで覚えるしかない。

ストーリー
赤い方がカップヘッド、青い方がマグマン、二人は兄弟である。ケトル爺さんと三人で平和に暮らしている。
が、デビルのカジノなるカジノで勝ちまくって最後の大勝負、思い切り負ける。膨大な借金を背負ってしまった二人。オープニングのあらすじではマグマンは止めているような、ビビっているような表情を浮かべているあたり、完全にカップヘッドが欲に目が眩んだ形だろう。マグマンは完全にとばっちりの巻き添えである。カップヘッド割とクズい。
二人の魂で払ってもらおう、と迫られ命乞いをしてなんとか「他の債務者から魂の契約書を取ってこい」と条件を出される。これもなかなかシビアである。
こうして二人は債務者たちに会いにいくことになったのだ。
なかなかクズい始まり方をしている。借金のカタに魂を要求されて、自分たちの魂の代わりに他人の魂を持ってこなくてはならないということだ。可愛いパッケージに似合わずシビアすぎる。
ちなみにパッケージ左端の子はダウンロードコンテンツで使用できるキャラクターだ。まだ使用していない。

システム
ステージ構成はボス(債務者)戦と横スクロールステージとなっている。
いきなりボスしかいないステージと、ひたすら画面の右側(時々上)に向かって進むステージの2種類だ。
横スクロールステージのガン・アンド・ランではコインが獲得できる。
獲得したコインで武器やアイテムを購入してボス戦に挑む。ガン・アンド・ランステージは攻略しなくても問題ないらしいが、コインを集めて武器を買わないと厳しい戦いを強いられるが、アイテムを購入しても厳しい。
ボス戦は更に地上戦と空中戦の2種類ある。
全てのステージで共通なのが「球を発射して相手を倒していく」「基本HPは3」なのだ。基本というのはアイテムで4にすることができるからだ。
基本は3回被弾するとまたやり直しである。
書いていて思ったが、この難易度ならHPは低い方がありがたいかもしれない。
難しいのに自分のHPが高すぎたり、1回の被弾で死ぬようであればテンポが悪くなる。気がする。

圧巻のグラフィック
このゲームのグラフィック、手描きである。しかもセル画であるとのことだ。
最も多く手描きセル画を使用したゲームのギネス記録を持っている。
驚異的な滑らかさでヌルヌル動くキャラクターたち、そしてヌルヌルぶちまけられるカップの中身。
キャラクターやモーションには様々なパロディが散りばめられているらしい。
わかる人にはグサグサ刺さるだろう。私が自力で気づいたのはボスから波動拳が出てくること、波動拳を撃ってくるカエルたちが「がまくんとかえるくん」の色味であることくらいだったが。
ディズニーや海外のカートゥーンのようなレトロで可愛いアニメーション、そして比例する鬼畜な難易度。
余談ではあるがこのゲームの開発者であるカナダ人兄弟は自宅を抵当に入れて融資を受けたそうだ。恐ろしい執念だ。

かわいいかわいいトレーラー映像である。なんか見たことある、馴染みのある、世界で有名なような気配のある、よくわからないけど実はげっ歯類のような手が映っている。

この記事で貼ったリンクはパッケージ版である。
パッケージ版には特典として天野喜孝がジャケットを描いたサントラが同梱されている。
ただ、天野喜孝が描いてるので完全にファイナルファンタジーの世界観である。異形頭の兄弟はどこにいったんだ?と思うが天野喜孝なら仕方ないことだ。しかしこれはこれでオイシイ。天野喜孝大好き。
音楽もジャジーでお洒落である。ただゲームオーバーになった分だけ同じ曲を聴く羽目にはなる。
言葉遣いや言い回しも洒落ている。
オープニング後、大変なことに巻き込まれたとケトル爺さんに会いに行くと魔法のポーションを授けてくれる。「汚れ仕事に備えるんじゃ!」「お前たちがカップの中身をぶちまけてしまわんようにこのポーションを用意してやったぞ」こんな調子である。
またゲーム中にはパリィできるものがある。ピンクならば、パリィできるのだ。ネタバレというほどのネタバレでもないが、パリィできるのは敵の攻撃だけではない。
背景を飛んでいる小さな蝶々でさえ、ピンクであればパリィできるのだ。細かい。芸が細かい。
よくよく考えるとランダムで現れる小さなピンクの蝶々に当たり判定を付けてパリィできるようにしているということなのだから、本当にゲームとして偏執的なこだわりを感じる。
だからこそ、理不尽ともいえる難易度にもかかわらずたくさんの人に愛されているゲームなのだろう。



今まだ殺意の波動に目覚めたカエル兄弟と、お花ちゃんを倒せずにいる私はこの記事を締めて再戦する。すっかり寝不足である。
ロマサガ2の皇帝は最終皇帝になってしまったし、先日のサガシリーズセールではしゃいでミンストレルソングも買ってしまった。
なぜだか最近は難易度の高いゲームばかり手を出してしまっている。どうしよう、どれも終わる気がしない。
記事をご覧になった方も、カップヘッドでレトロなカートゥーン、キチクなシューティングを楽しんでみてはいかがだろうか。
Steam版、Switchのダウンロード版もあるので気軽に地獄の淵を除くことができるのでおススメだ。
カップの中身をぶちまけながら楽しめるだろう。

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