「雛人形の知らせ」#理解はしてほしいこと
🗽突然ですが、山根あきらさんの企画「理解はしてほしいこと」に、
参加いたします✨
ちょっとばかり昔のお話。
2月にしては暖かな午後、ガラスケースに入った雛人形を部屋に飾ってから、ふと見ると、男雛の顔が不自然にゆがんでいた。
ケースから出してみると、首の後ろが取れかかっている。
修理に出すと時間がかかるので、その日のうちに家族に直してもらった。
それから数日後、土曜日のお昼近くに、母から電話がかかってきた。
父が、首の後ろがおかしい、寝違えたのかもしれない、と言っていると。
病院嫌いの父のこと、寝違えたくらいで私に連絡しろと言うはずがない。
揉んだり動かしたりせず、安静にして待つように父に伝えてから、すぐに病院に電話し、症状を伝えた。
「休診なので、寝違えなら月曜まで待って来てください」と何度も言われたが、寝違えとは思えないと訴え、救急外来の診察を受けることになった。
30分ほどで病院に着くと、先ほど電話で問診を受けた、若い女性の医師の診察室に呼ばれる。
「寝違えね、レントゲン撮ってきて」
「普段血圧は高くないはずですが、念のため調べてください」と頼むが、
「頭痛も吐き気もめまいもないんでしょ? 関係ないです」の一点張り。
マニュアルではそうだろうが、例外はある。
病気は、医学の教科書通りにはいかない。
怒りを隠し、ひたすら頭を下げたら、しぶしぶ血圧測定の指示を出した。
数分後、手動式の血圧計でシュポシュポしていた看護師さんが叫んだ。
「あ~~~~っ!!!」
…………目盛りをみごとに振り切っていた。
急きょ、血圧を下げる舌下錠を。
医師「あら、血圧も高かったのね、じゃレントゲン行って」
この医師には、もう何も言う気は起きなかった。
男雛の首のケガの、早期発見と早期修理。
これが、父を救ったと、私は今も思っている。
私が生まれた時、父が買ってくれた雛人形が、知らせてくれたのだと。
あの時、もし男雛の首を直さなかったら・・・。
~ The End ~
創作ではなく、本当にあったことです。
その後、別の内科を受診し、長期的に降圧剤を服用するだけですみました。
月曜まで受診を待っていたら、麻痺や脳血管障害などが起き、もしかしたら最悪の事態になっていたかもしれません。
電話がかかってきた時の父の自覚症状は、首の後ろの何とも言えない違和感だけで、痛みも眩暈も吐き気もないということだったのに、寝違えじゃない、と私は確信していました。
ぼんくら娘ではありますが、この時の判断は間違ってなくてよかった!
お雛様からの知らせ、信じてくれなくてもいいの。
でも、そういうこともあるんだね、と、理解はしてくれたらいいな、という、お話でした。
📌急激に血圧を下げる舌下錠投与は、
現在は原則として禁止となっています。
山根あきらさん、発作的に参加させていただきます😂😅
お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします🙏✨