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音楽トリビア🎵「戦争が終わったら消された歌詞」

戦時中歌われていた、日本の童謡・唱歌の歌詞が、戦後になって書き換えられたり、GHQによって削除されたりしました。

今日はその中の何曲かをご紹介します。
 📌著作権保護法の関係で、歌詞を掲載できないものがあります。
 📌GHQ=連合国軍最高司令官総司令部

        🔶汽車ポッポ(昭和20年)🔶

🎵汽車汽車 ポッポ ポッポ シュッポ シュッポ シュッポッポ~~

この童謡は 昭和13年「兵隊さんの汽車」という曲名で発表されました。

💠当時の歌詞(著作権保護期間中のため一部のみ抜粋)💠
  兵隊さんを乗せて シュッポ シュッポ シュッポッポ
  ぼくらも手を振り 送りませう  万歳 万歳 万々歳~~

     🔶我は海の子(明治43年 尋常小学読本唱歌)🔶

🎵我は海の子 白波の さわぐ磯辺の 松原に
 煙たなびく 苫屋こそ わがなつかしき 住家なれ 

この曲は 7番までありましたが、4番以降は削除されました。

💠7番の歌詞💠
  いで大船を乗り出して 我は拾わん 海の富
  いで軍艦に乗り組みて われは護(まも)らん 海の國

       🔶蛍の光(明治14年 小学唱歌集)🔶

スコットランド民謡に 歌詞をつけた歌
🎵蛍の光 窓の雪 書読む月日 重ねつつ
 いつしか年も すぎの戸を あけてぞ今朝は 別れゆく

💠削除された歌詞💠
3 筑紫(つくし)のきわみ 陸(みち)の奥  海山遠く へだつとも
  その真心は へだてなく ひとえにつくせ 国のため
4 千島のおくも 沖縄も 八州(やしま)の内の護りなり
  至らん国に勲(いさお)しく 努めよ我がせ 恙無く

             🔶里の秋🔶

昭和16年12月に、「星月夜」の題名で発表されましたが
昭和20年「里の秋」として 歌詞も改められました。

 🎵静かな静かな 里の秋~~

💠削除された3番の歌詞💠
 🎵さよなら さよなら 椰子の島
  お舟に揺られて 帰られる
  ああ父さんよ ご無事でと 今夜も母さんと祈ります

🎵むすんでひらいて 手をうって むすんで
 またひらいて 手をうって その手を上(下・頭・ひざ)に🎵

童謡であり、文部省唱歌でもある「むすんでひらいて」
作詞者は不明、作曲者はフランスの思想家ジャン・ジャック・ルソーです。
日本の曲ではありません。

ルソーが作った原曲は、1752年、ルイ15世の前で公演されました。
そして1881年(明治14年)、古今和歌集をもとに歌詞が作られ、
見渡せば」という曲名で、日本初の音楽の教科書「小学唱歌」に収められました。

見渡せば 青柳 花桜こきまぜて
みやこには 道もせに 春の錦をぞ
佐世姫の織りなして 降る雨に染めにける

そしてこのメロディーは、明治28年、なんと軍歌として利用されました。
進撃追撃行進曲」(戦闘歌)という曲名もあります。

見渡せば 寄せて来る 敵の大軍 面白や
すはや戦闘始まるぞ いでや人々攻め崩せ 
弾丸込めて撃ち倒せ 敵の大軍撃ち崩せ

🎼一般的にはもう歌われることのない歌詞たちですが
戦争が終わってから 削除・改竄された事実があったことを知っていただき
消えていった歌詞を忘れないでほしいと思います