映画「ミスト」を見た感想【ネタバレあり】
先日Amazonプライム・ビデオで「ミスト」という映画を観た。ネットの評判では鬱映画とのことだったのでドキドキしていたが、総じて言えば割と普通のパニックホラー作品かなと感じた。ただ、群衆心理やパニック時特有の非論理的な思考がまざまざと描かれていたこと、過度ではないがグロ描写があったことから観終わった後には気分は落ち込んだ。ホラーは苦手なんだ。
まだ映画を観ていない人はぜひ観てから読んでほしい。
Amazonプライム・ビデオ「ミスト」はこちら。
映画を見て気になったことに触れていく。
◯なぜあのスーパーはガラスをぶち破って襲われないのか
向かいの薬局は怪物の巣になっていた。一方、スーパーは一面がガラス張りであり、中盤ではそのガラスが割れて怪物が侵入してくるシーンもあるが、最後までシェルターとして機能していた。怪物は閉鎖空間は認識できない or 入って来られないという性質があるのかもしれない。薬局はパニック状態の人がドアを開けてしまって怪物が入ってきたとか、窓が割れたのを皮切りに襲撃されたとか。
◯なぜ虫や鳥の撃退に火を使ったのか
現実的にも室内で虫に火を着けたら火事まっしぐらであることは容易に想像がつくであろうに。しかも虫の襲撃でパニックになって咄嗟に火を使ったわけでもなく、事前にモップを油に浸し火のついた武器にするつもりで準備している。結局作品内では1人が火だるまとなって死に、今後は火事になりかねないからもう火はやめておこう、という結論になった。
◯なぜ宗教おばさんは虫に刺されなかったのか
霧の怪物は本当に神の使者だったのかもしれない。結局宗教おばさんが(かなり歪曲しているであろうにしろ)聖書に基づいて言っていた予言(おそらく預言ではない)は全て正しかった。さらに、怪物に殺された人物は何かしらの罪や業を背負った人物だった…のかもしれない?がっつり集中して観ていたわけでもないのでそこまではわからない。少なくともおばさんにとっては神の意志を感じ、自分は神の言葉を伝える預言者であると自認してヒートアップするきっかけにはなっている。
◯なぜ序盤で出て行った母親は助かったのか
最序盤ではシャッターを開けたらすぐに触手が現れたり、中盤では逃げた人が60 m離れたところで襲われたり、終盤では主人公一行がそれより近い距離にある車に到達する前に襲われたりしていたにも関わらず、この人だけは徒歩で助かった。しかも、主人公がガソリンの切れるまで車で移動した地点からさらに遠くで軍に保護されているという点から、2日ほどで相当な距離を移動していることがわかる。たまたま近場で軍か警察かに出会えたのだろうか。
◯なぜ軍は主人公を助けないのか
車の横で佇む主人公の横を軍は素通りである。叫び出したところで軍人2人がおろおろしだすが、周囲の怪物を掃討中であるという状況を考えて、引きずってでも車に乗せて保護すべきではないだろうか。
◯なぜ霧は晴れたのか
異世界とのゲートを塞ぐ方法がわかった、霧の怪物を倒せば霧が晴れたなど色々考えようはある。
鬱映画という評価はラストシーンに由来するというのは十二分に理解した。一方で、個人的には全編を含めて「良かれと思ってやった行動が全て裏目に出て結局全てを失った」ところから、人生は報われないものだという感想を持った。実際に、私が一番苦しかったのは、火傷の患者1人を助けるために薬局に向かうが、仲間が数人死んだ挙句に患者も手遅れで助けられないというシーンである。
二度観たい映画かというとそうではないが、心理描写、演技、CGどれをとっても良くできているので、ネットの評判からでも興味がある人は一度観る価値はあると思う。
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