人の心をよむ。洞察力を生かす。

人間に対する鏡い洞察は
観察力を高めるだけで身につきます。

ビジネスには通常、
目に映る以上に見るべきものがあります。

それは人の内面のさまざまな動きです。

ビジネスでは、
あらゆる行動が人の心の中を
かいま見せてくれます。

たとえば特定の質問をされると
目をそらすというような、
無意識の言動もあります。

だが、ある意見を
言葉を選びながら口にするといった、
単純でも無意識でもない行為もあります。

洞察を得る手がかりは豊富にあり、
よく観察すれば誰でも利用できます。

しかしそれができない企業幹部は
驚くほど多いです。

周囲で起きていることへ
まったく注意を払っていないからです。

自分のことしか頭になくて
他人の話を聞く余裕がないのか、
社内で存在感を示すことに
きゅうきゅうとして
他人の行動が目に入らないかの
どちらかです。

人への洞察力もないのに、
仕事はできます。

そんなビジネスマンなど
いるはずがありません。

そもそもビジネスというのは、
自分の少しの優位が、
相手の微かな優位になる
といった微妙なものです。

そして人をマネジメントし、
誰かに売り込み、
ともに働き、
自分がしてほしいことをやらせる
といったビジネスのプロセスは、
すべての面で人間に帰着します。

洞察力がなければ、
微妙な世界も成り立たないのです。

洞察力があれば、
未来を見通すことができます。

今後数十年間に
ビジネス界で
何が起こるかがすべてわかるとしたら、
その情報はあなたを賢明にするだけでなく、
成功もお金ももたらしてくれるます。

洞察力こそが、
未来を予見する能力を授けてくれます。

人の本質や本当の自己は
状況によって変化するものではありません。

だから相手を知れば知るほど、
相手の心の内がわかるし、
いかなる状況でも
相手の答えや反応を
より正確に予測できるようになります。

この知識は
きわめて貴重なものです。

これはもプロのやり方で
霊能者や占い師は
何世紀も同じ手法を
使ってます。

霊能者は客の行動、
外見、服装を観察し、
何気ない質問を二、三して、
客を品定めします。

この情報から
未来を見通すことができます。

ところが実際は
霊能者は客から得た情報を使って、
客が聞きたいと思っていることを
伝えているにすぎません。

優秀な霊能者は
わずかな情報にもとづいて
驚くほど鋭い勘を働かせることができます。

企業にいたら
優秀な幹部になっていた人も
たぶんいるはずです。

その逆に、
ひどい霊能者に
なっていたかもしれない
企業幹部もたくさんいます。

洞察を得るには、
感覚を全開にし、
自分はできるだけしゃべらず、
相手の話に耳を傾けることが必要です。

相手をよく見て、
相手の話をよく聞くだけで、
あなたは自分が
知らなければならないことのほとんどを、
そして相手があなたに知らせたい
と思う以上のことを、
知ることができます。

そして自分はロをつぐむことです。