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MISSIONと旅に出よう(MISSION 福士誠治&濱田貴司)

  去年の秋ごろTwitterのタイムラインが騒がしくなった。あるサイトにアップされているバンドのヴォーカルが推しの俳優ではないかと言うのだ。確かにミュージカルの経験もあるし、歌がうまいのは多くの人が知っている。そのサイトはその俳優の短編映画監督作品公開しているし、重要な関係者に舞台作品等で繋がっている作曲家さんもいる。最も声を聞けばみんなわかってしまうのに、名前が出せないのは大人の事情ってものだとわかってしまうのだが。当人は謎の人物のままラジオにも出たし、2曲目も最後の最後にご本人がチラ出しで、微妙に納得。モヤモヤしているなか、メンバーの公表があって、ファーストライブまで告知された。これは絶対ライブに行こう!

 その俳優とは福士誠治。劇伴も作曲する濱田貴司「MISSION」というバンドというかユニットを組んで音楽活動をすると公表されたのだ。ここまでYOUTUBEを使って発表された曲もAORの香りがしてすごく好きなタイプだった。やっとというか、三作目のMVにはがっつりご本人降臨で、切ないラブストーリー仕立てになっていた。さてライブとなると10曲以上必要なのではないかと今までの経験が頭をよぎる。ライブに合わせて発売されるCDには4曲、カバーソングをいれるのか、新曲をやるのか。あ~新しいバンドは考えることが多すぎる。無事チケットを購入できるとこんどは会場も気になってくる。オールスタンディングはおばさんにはつらいなぁとかあれもこれも気になってくる。

ライブ当日

 ワンドリンクはペットボトルのミネラルウォーターにして水分補給はバッチリ。入場してセットを確認、ドラム・キーボード・ギター・ベースでもう一つこれは弦が入るんだろうなとなれば、打ち込みじゃなくてガチでのサウンドを作ってきてくれる。これだけでも本気度がわかって嬉しかった。
 ヴァイオリンのリードで1曲めの「人として、時として、花として。」から始められる。青年の焦燥感と生きる意味を探す歌詞とヴァイオリンの旋律が印象的な曲。ボーカルとしての福士誠治じゃなくてSeijiも柔らかく入ってきてうまく膨らませてくれて、すごく行間を感じる曲になっていた。
 2曲めはイントロが印象的で、キーボードでディストーションをかけたサウンドで始まるのはかっこよすぎる。歪ませた音ってギターだけじゃなかったんだとちょっと新鮮な喜び。新曲できたきたと盛り上がるにはちょっと高度なような気がしたけれど、楽しまなきゃ損!とりあえず腕を振り上げてみた。この「Black」は自分の欲望・感情のまま振り切っちゃえと煽ってくる。こういう曲って大好物なんだよなぁ。
 次の「僕の始まりと終わり」「大停電の夜」とミドルテンポとバラードでじっくり聞かせてくれる。曲ごとに印象の少し違う声で歌い上げているのを見ると、じっくり聞きたくなってステップすら踏めない。そもそもそんなスペースすらないのだけれど。
 「何のため誰のために生まれ落ちてきたのか」と「二律背反」の歌詞をセリフのように話しかけるSeijiにドラムが邪魔に入るように割り込んできて、ドラムとSeijiがやり取りをする場面はこの日のハイライトなのか。ここは役者福士誠治が全開になるところになる。ボーカリストSeijiと素の福士誠治がMCのところなどで交錯する場面もあって本当に一瞬も目が離せないステージって初めてだ。声もだけれど、欲望を揺さぶる美しいメフィストフェレス、顔立ちも相まったアルカイックスマイル、本当にいろいろな表情を見せてくれる。この曲はベースの刻むビートとヴァイオリンの絡みが激しい印象の曲で、キタキタとテンション最高になった。最後のフレーズのあたりでSeijiが消えた。舞台に転がっていたのは後で知ったのだけれど、本当にロックミュージシャンになってるとまたまたびっくり。次の歌とのつなぎが「まだまだ死ねないよ!」になるはずだ。
 「Born to be」この曲の爽快感とスピード感のある曲はライブでは貴重な感じの曲になると思う。曲間でやったコール・アンド・レスポンスは楽しかったな。Seijiは知らなかったと言っていたけれど、自分は得意です。Jリーグのジェフでもやろうとしたことあったけれど、うまく行かなかった歴史が合って、サッカーのメンバー紹介とかでやっているチームが羨ましいくらい。気分が乗ると自己満足なコール・アンド・レスポンス風の声を上げてるくらい。
 「ゴースト」切ないミドルテンポの曲で、歌い上げるSeijiの声もやさしいとっても聞かせる曲。このライブももう終わりなんだなぁと、この幸せな時間がずっと続くといいのにと歌詞も相まってしみじみしてきてしまった。
 最後は「Over The Galaxy」孤独に宇宙を旅するストーリーの歌。キラキラした星の光を表現したアコスティックピアノのがすごく印象的。最後のこの曲で一人ずつバンドのメンバーがフェイドアウトしていき、最後Hammerことキーボードの濱田貴司とSeijiの二人になる演出もよくあると言われればそうなのだけれど、このファーストライブでは余韻の残るしみじみ感を噛み締められた。アンコールにも答えてくれて、「Born to be」やってくれて、バックボーカルの掛け声できたのは楽しかった。本当にライブで楽しい曲。
 帰り道のどが渇いたので、会場で受け取ったミネラルウォーターを口にしてびっくり。ぬるい水どころでなくぬるいお湯になっていた。どれだけ熱くなっていたんだろう。皆で心開いて一つになれた成果だよ。

https://www.youtube.com/embed/TJyBR11H_T4

   これからのこと

 これだけ文字数かけて1stライブの話をしてきたけれど、興味を持った人がいたらDVDが出ているので見てほしいな。2ndライブでも俳優福士誠治の魅力を全開にした「シニガミ」の演出は、一人舞台の要素も打ち出していた。「シニガミ」と「僕」に一瞬で変化する表情と声はMISSIONのライブに「Theater Rock」と名付けられただけあって本当に凄い。生で体験するのがやっぱり一番なので、3rdライブの告知が出たばかりということなのでぜひ。

https://www.youtube.com/embed/DpHPL-hPl8E

 本格化させた音楽活動は生半可なものじゃなくて、「日本武道館」でのライブをやりたいと「私の行けなかったイベント」で言ったと聞いたので、MISSIONのファン(クルー)として”MISSION”を果たすためにこのnoteでやってみた。まだまだ変化を続けるこのバンドを始まりから体験できるのってすごく幸運なことじゃないかなと思っている。

#いまから推しのアーティスト語らせて #MISSION #福士誠治 #濱田貴司

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