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ファミリーレストランからの手紙 (坂野晶)


きょう、神さまを見ました。
その方はビルとビルの間にいて、
わたしに手まねきしたんです。
スーツを着た、きれいな男性でした。
1000円札を2枚くれて、
「今からそこのファミレスにいって、
12時ちょうどに和風ハンバーグ
セットたのみなさい」ってわたしに。
ハンバーグおいしかった。
それに神さまはきれいでした。
うれしかったから、なんとなく
残しておきたくて、店の人にペン
かりて、こうしてかいています。
また会いたい。

※2023年8月6日午後3時ごろに入店した都内某所の某ファミレスで、座席の隙間に挟まったナプキンを発見。拾得物として郵送。





企画: 03. 見知らぬ土地からの手紙

 SCOOLに宛てて、様々な遠い土地から手紙が投函され、ここに集いました。
 手紙とは不思議な連絡手段です。手紙は、それを受け取る人にとっては、遠く離れた場所で書かれ、何らかの具体的な運搬手段を通じて、ある時間経過を伴って、此処に辿り着きます。その手紙を通して、受け取る人は、自分がいる世界とは異なる世界を感じることができます。
 SCOOLに展示された手紙の総体は、いわば、どこか今よりも前に書かれた遠く離れた土地の物語の集積です。手紙の文章を読んでいただきながら、手紙が投函された、ある場所、ある過去に思いを馳せてみてください。

企画作品一覧



修了展示 『Archipelago ~群島語~』 について

佐々木敦が主任講師を務める、ことばと出会い直すための講座:言語表現コース「ことばの学校」の第二期の修了展が開催された。展示されるものは、ことば。第二期修了生の有志が主催し、講座内で執筆された修了作品だけでなく、「Archipelago ~群島語~」というコンセプトで三種類の企画をもうけ、本展のための新作も展示された。2023 年8 月10 日と11 日に東京都三鷹のSCOOL で開催。

『Archipelago ~群島語~』展示作品はこちらからご覧ください。



「群島語」について

言葉の共同性をテーマとし、言語表現の新しい在り方を試みる文芸誌『群島語』
2023年11月に創刊号を発表。

今後の発売に関しては、X(Twitter)Instagram で更新していくので、よければ是非フォローお願いいたします!

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