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若武者、優勝できて良かった理由

noteを初めてまもなく1年経ちますが、10個ぐらいしか記事を書けませんでした。なんたる体たらく。

これからしばらくライブなども入ってませんし、試しに半月くらい毎日更新してみようかと思います。肩の力を抜いて書くので、同じぐらい気を抜いて読んでみてください。



昨日は「若武者」というお笑いライブでした。
東京若手お笑いを統べるK-PRO主催のバトルライブ(面白い人に投票して多い人が勝つやつ)です。

若武者はチケットが即完する、K-PROさんのなかでも屈指の人気のライブなのでずっと出たかったです。
以前、5年目以下の若手の大会、「THE VERY BEST OF FIVE」(もう僕ら以外正式名称おぼえていません)で優勝した時、特典で若武者にも出演できましたが、まったく歯がたちませんでした。

最近ごっそり強いメンバーが卒業となったので、優勝難易度は下がっています。けどやっぱり嬉しかったですね。

かつては、若武者の一個下のライブの「いぶき」も勝てなくて、いぶきで優勝するための新ネタ特訓ライブも主催しました。オコジョです。しかし結局一回も入賞できませんでした。

余談ですが、K-PRO登竜門のフリーライブ「ゲレロンステージ」も優勝したことないです。やけくそになってやった大麻を吸うネタが2位になったぐらいです。その時の1位が"ぎょねこ"で、それからずっと仲がいい。チェンソーマンも全部買ってあげたし。

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↑ゲレロンでやけくそになってやった
海外旅行のネタ(最悪画質の動画に飛べます)

ゲレロン優勝しまくって勝ち上がって売れかけてる人、身近だとスタンダップコーギーさんしか知らないですね。
ゲレロンは60組くらい受けて、上位2組が一つ上のライブに出られる厳しいシステムなんですが、その上のライブもかなりシビアなんですよね。ランジャタイさん、ウエストランドさん、だーりんずさんらとネタを競い合って勝たなきゃいけないライブとかありました。当時くやしくて、ゲレロン上がり処刑用ライブと呼んでました。悪意はないですが、それくらい熾烈ということです。


スクラップアンドビルド

M-1落ちました。感染症対策で無観客の一回戦。
笑いがない分、漫才の上手さが要求されると思ってたくさん練習しました。
「プロ感を出すのが大事」と下馬評で聞いており、漫才が上手くない僕らは不利だと察して、珍しく稽古をしまくりました。

本番当日。コロナ対策で、大声のある曲ネタは飛沫対策としてフェイスガードか、コンビ同士を仕切るアクリル板が必須でした。表情を見せたいし、赤もみじさんもやってたので、アクリル板を使うことにしました。

受付の方に「アクリル板使いたいです」と伝えると、スタッフの方が少しざわつきました。

「アクリル板ってどうやるんだっけ」「ああ、赤もみじの時にやってた気がする」「動画見てみるか」

スタッフ同士の話し声には困惑の色がにじんでいました。アクリル板を使用するコンビはあまり多くないようです。


出番直前。衣装のサスペンダーがうまく付かなくて、相方に付けてもらって、直前までネタを暗唱して。そのくせ「とにかく大きな声で、元気よくやろうぜ」などと言い、舞台に飛び出ました。

がらんどうの客席。手前にマイクが見えた。横には身長ぐらいの高さのアクリル板。

無観客にビビらず、「どぉもー!!!!」と元気よく飛び出よう。漫才師は元気なものだから。
客席に向かって駆け出して、立ち位置でピタッと止まって挨拶しよう。マイクの高さを自分の背丈に合わす仕草もプロっぽいからやるか。脳内で次々に考えました。

想定どおり、駆け足でマイクに向かいました。すると全然立ち止まれず、横のアクリル板を思いきり蹴り飛ばしました。ガシャィンと鋭い音。引きつった顔の相方がアクリル板を手で静止しながらネタがスタートしました。もちろん笑い声はありません。
M-1でもっともアマチュアみがあったコンビだと思います。
前代未聞のアクリル板キック。"コロナ対策?クソくらえ"というクラスターフェスめいたメッセージすら読み取れます。

赤もみじさんにアクリル板を蹴り飛ばした話をしたら「アクリル板は意外と慣れが必要なんですよ。音もズレて間が変わってくるから。俺たちは慣れてるからええけど。てかキングオブコント前に漫才やって、M-1前にコントやるから落ちるんや!意味わからんもん」など言われました。来年も必要そうなら、アクリル板に慣れるとこから始めようと思います。


もちろん落ちた理由はこれだけじゃなくて、根本的には実力不足なわけで。何とかしないといけないという危機感はありました。

試行錯誤して、最近作ったネタ「結婚式」は形式がやや変わっています。しゃべくりになった、と言われましたが、むしろそこは偶発的な部分でした。僕の実話がアイディア元になったからです。

正直言うと、最初台本を読んだとき、何が面白いのか全くわかりませんでした。"キスを見るためだけに結婚式にいく"というボケでしたが、まったくボケになってないと感じました。

めずらしく言い争いになり、ここまで意見が割れるなら解散もありうる、と話のステージが一個上がったとき、疑問がよぎって、念のため土岡に尋ねました。

ぐんぴぃ「まさかだと思うけど、世間の人は"キスを見るために結婚式に行く"という発想がない、ということなのか?」

土岡「はい。そんなキモい発想、ないと思います」

なるほど、頭では理解できました。僕は普段から結婚式はキスしか楽しいイベントが無いと思ってて、「キスを見に結婚式にいく」は捻りとしてベタすぎるからウケるわけないと思っていたのです。

とはいえ"結婚式はキスを見に行く、という発想は世間的には本当に無いのか??"と疑ってました。しかしこのネタで若武者優勝したので、流石にホントなんだろうと思います。それが確認できたで、勝てたのはよかったです。


おわり。



身に覚えのない慰謝料にあてます。