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音楽は音を楽しむ

 “歌系の趣味”をなぜ続けているのか、と問われて、「生き方を考えるために続ける」と、答えたことをきっかけに(この記事で紹介)、“歌系の趣味”にまつわるエピソードから自分観察してみようというテーマの7回目です。

 タイトルのフレーズ。

 単語の漢字を分解して、深そうなお話をする。金八先生の好きそうなそれですが、それにしても、これはあまりにも「ベタ」だと思います。

 でも、ベタなネタも、タイミングがよいと、すごく心に響く。

忘れ物0と聖歌隊入隊試験

 最近の小学校は知りませんが、私が小学生のころは、なんでも競争でした。

 その中のひとつ「忘れ物の少ないランキング」が行われていて、4年生のとき、私はクラスで最後まで0をとおしていました。1学期ももうすぐ終わり。1学期が終わるまで、ランキングはともかくとして、忘れ物0をとおしたい。そう思って過ごしていました。

 以前にも書きましたが、4年生になったら学校の聖歌隊に入りたい。そう思って3年を過ごし、いよいよ入隊試験が受けられる4年生です。聖歌隊の指導をしている音楽の先生に「入りたい」とお伝えしたら、来週試験をするから、いらっしゃい、と言われていました。

 そんな中、私の忘れ物0の記録が途絶えます。音楽のノートがいっぱいになっていたのをうっかり忘れていました。いっぱいになったときは、あらかじめ新しいノートを買ってから授業に望むことになっていました。そう、新しいノートを買って授業に出ないのは、ノートを忘れたのと同じ扱いというわけです。

 そうして、0記録が途絶えて、授業中もちょっと落ち込んでしまいました。

 その中で、先生から

「音楽をいつでも楽しめないような人は、聖歌隊に入る資格はありません。来週は(試験に)こなくていいです」

と言われたのです。

 今振り返ると、「ごめんなさい、でも、がんばりますから、お願いします」と言ってくることを期待しての言葉だったのかもしれません。でも、「音楽は、音を楽しむんだ」ということは、すごく深く突き刺さりました。私は、「そうだ、まずは、自分で、音を楽しめるようになろう。そうなってからでないと、試験をうける資格はないんだ。そうなってからもう1度お願いにいこう」と、心の中で決めたのでした。

 でも。そうそう簡単に楽しめるようになるものではありません。

楽しく、を求める「道」になっていく

 もうずいぶん前なので、上記のエピソードとどちらが先かは定かではないのですが(たぶん、エピソードの方が少し先)この頃に見たアニメがこれを助長しています。

 当時、テレビアニメとして放映されていた「ピンクレディー物語〜栄光の天使たち」という番組がありました。もはや、ショーワの歌謡史という、歴史の上の女性デュオですが、記録的な大ヒットを続け、ついには、その成功ストーリーがアニメ仕立てで放送されていたわけです。

 その中で、プロとしてデビューしたはかりのピンクレディーのお二人は、生活の中で悲しいことがあり、満足のいくパフォーマンスができなかった、という話がありました。もちろん、めでたしめでたしのアニメですから、それを叱咤されたことで、二人は成長しました、という流れです。

 でも、「あー、やっぱり音楽は音を楽しむんだ(どんなときにも)」と、このときも強く思った記憶があります。

 そして、これまで綴ってきたように、立ちはだかる人前での恐怖心が、どどーんとそびえ立っています。

 いつからか、音を楽しむようになるのは、一生をかけてなのかな、(しかし、我ながら生意気な小学生です)と、思うようになり、少なくとも小学校在籍中は、楽しめるようにはなれないと、なぜか確信してしまいました。

音楽からすべてへ

 これは、現在も続いています。

 そして続いていますが、音楽以外にも最近はそれが拡張されて、何事も楽しむ、という考え方になっています。

 嫌な仕事も、失敗した時もきつく怒られた時も(腹の中で笑うという意味ではありません。しっかり受け止めて、真摯に対応する意味でです)、大切な人の死も、自分の苦しみも、もちろん、いつかわかりませんが、自分が死ぬことも。

 難しいけれど、だから、一生問い続ける、求め続ける。
 そんな風に生きられると、いいな。

 音楽は音を楽しむ、ということから、生き方にまさに影響受けたエピソードでした。

 画像は、みんなのギャラリーから、五線譜で検索して見つけたものを使わせていただきました。音楽ノートのお話からの発展のイメージに近かったので。こんなふうに楽しくできるといいな、と思います。

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