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“歌系の趣味”から自己観察3〜恐怖の克服へ

 “歌系の趣味”をなぜ続けているのか、と問われて、「生き方を考えるために続ける」と、答えたことをきっかけに、“歌系の趣味”にまつわるエピソードから自分観察してみようというテーマ3回目です。

歌は恐怖?

 “歌系”の中でも、趣味としてはじめて自覚したのは、合唱でした。

 そうすると、「歌が好きで、得意だからはじめたんですよね」と、多くの場合は言われます。
 しかし、実は、合唱ならば、恐怖心を和らげて歌える、というのが、合唱を続けた動機でした。

好きなのに怖い思い出
 小学校にあがったくらいから、人前で一人で歌うことは、恐怖になっていきました。さすがに、学校のバス旅行などで、マイクが回ってきて泣き出してしまう、ということはありませんでしたが、できれば目的地について、自分に順番が来ないでほしいといつも願い、まわってきてしまったときは、手も足も、そして声までカダカダ震えて、早くおわらないかなー、と思いつつ、なんとか一曲歌って、次の人にマイクを渡すという感じでした。それは、大学に入って、今度はサークルの飲み会のカラオケ、という場面でもかわりませんでした。

 でも、嫌いではないのです。

 これもエピソードとしていずれ取り上げることがあると思いますが、(キリスト教系の学校でしたが)聖歌隊にあこがれて、高学年になったら絶対に入りたい、と、ずっと思い続けていたほどです。

 前回書きましたとおり、取り合えずなんでも歌にして歌ってしまうような幼少期も過ごしていましたし。

 しかし、人前で一人で歌うことは、どうしても緊張して、怖くて、避けてしまう状況だったのです。

合唱との出会い

 そんなときに、「合唱団を作るから、立ちあげを手伝って」といういとこの誘いで、「いとこの誘いでは断れない。合唱は大勢で歌うから大丈夫だろう」と、入団したのがきっかけです。

 そして、好きだけど人前では歌えないけれど、大勢ならばなんとかなる。だから、合唱を続けよう。そんな“歌系の趣味”のスタートでした。

 ちなみに、大勢ならば怖くない、ではなく、「なんとかなる」まででした。合唱団の一人として歌っていても、ガタガタブルブルはなおりません。ちょっとしたコンサートなどでは、4-5曲目くらいでようやく震えが収まるという感じで、本番直前の袖で待機しているときには、先輩方に「なんでそんなに緊張しているの」と遊ばれるのが常だったのが合唱をはじめたばかりの状況です。

合唱も一人がある…若い男性ならでは?
 さて、合唱を趣味としてやったことのある方は、想像ができると思いますが、「若い男がほしい」が、混声合唱界の常。若い男の子(いや、もう20代後半でしたが、親や祖父母の世代の方々が中心ですから)は、いくらでもお誘いがきます。そして、そういう事情もしらず、おばさまたちに誘われるからと、最大で7つの合唱団掛け持ちをしていた時期もありました。

 そうなりますと…。もともと男声が少ない混声合唱団。合唱曲の中には、ソロを伴うものもあります。それが男性ソロの曲だと、「この曲はソロをやって」という話がどうしても出てくるわけです。

 …ちょっと待って…。
 大勢の中で歌うから恐怖がやわらぐ。だから合唱をやっているのに。一人どころか、大勢の中でも、緊張でいつも震えているほどなのに、なんで一人で歌わなきゃいけないの!!

逃げたいけれど逃げられない
 克服をするしかない。趣味で克服なんて言葉は初めて意識した機会だと思います。

 よくある、緊張の解き方の本、講座にも行きました。

 緊張するのは集中力が足りないだけ、練習不足の不安だから、練習を、という話ももっともなことだと思います。

 でも、そもそもなぜ集中できないのか。集中できる人は緊張しません。  

 芸術ごとは「これでいい」はないから、「練習が足りる」ということはあり得ないのではないか。そんな葛藤もありました。

なぜ、緊張するのだろう。なぜ、怖がるのだろう。
 それがわかれば、克服の仕方が見えてくるかもしれない。

 この克服が、“歌系の趣味”を続ける理由が、生き方を考えるため、という答えになる、一つ目のエピソードになります。

続く
 長文になりすぎるので、焦らず、少しずつ、綴っていきたいと思います。

 写真は、2018年群馬県合唱祭のもの。

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